憲法九条は好きですか?

実は私、憲法九条が好きだったりする。
いや、だから九条を守ろうとかって話ではなく、好き嫌いの話。

憲法九条の成り立ちを調べてみると、発案者には諸説あるみたいだ。そこら辺の経緯はともかくとして、現在も数多くの人がこの憲法を守ろうとしており、今亡き人たちも守ろうと励んできた。

私がなぜ憲法九条が好きかと言うと、九条には「日本にはもう戦争させたくない」「日本は平和であってほしい」という願いや希望が込められているからだ。理想的な国家であって欲しいと想う心がそこにある。私はこれを、純真で真っ直ぐな愛国心だと感じる。

憲法九条を無くしたい人たちの主張も分かる。
九条があるがために国家自衛の足枷になっているのも事実だし、集団的自衛権を得て諸外国と足並み揃えたいのも理解できる。悪国の脅威から国家を守りたいとする心がそこにある。私はこれを、現実を直視した堅実な愛国心だと感じる。

憲法九条を守りたい人も無くしたい人も、どちらも「愛国心」から来ているのではないか。私にはそう見える。

私から見て、憲法九条を守りたい人も無くしたい人も同じに見える。
根本は同じ「愛国心」。している行動は、反対の立場の人間を蔑み、自分たちに都合の悪い情報を流すメディアを見れば「マスゴミ」と罵り、偏った見方や見解を広げ、時には陰謀論なんかも飛び出す。ほら、同じでしょ。

根本の愛国心は同じでも、「守りたい」とする形が違うのだ。その齟齬が諍いを生んでいる。形は違えど、同じように国を想う人たちが罵り合っているのを見ていると、なんだかなぁ~と思う。

私は冒頭で憲法九条が好きだと書いた。だからといって、憲法九条を無くしたいとする人たちが嫌いなわけでも、論理が間違っているとも思わない。それも愛国心から来ているのだと思えば、嫌いになんてなれっこない。

なんだろうね。誰かと同じように何かを愛していても、喧嘩したりすることってあるよね。なんか、それと同じように見える。

双方に言いたいのは、自分が絶対に正しいと思うことなかれ。双方に正義はあり、正しさの押し売りは諍いしか生まない。そして最後に言いたいことは、お前ら仲良くやれよってこと。