台風8号:最新情報 双方向でデジタルマップ化 ネットに
毎日新聞 2014年07月08日 18時37分(最終更新 07月09日 15時19分)
◇渡辺・首都大学東京准教授、「グーグルアース」利用
日本列島縦断の恐れが出ている強い勢力の台風8号について、首都大学東京の渡辺英徳准教授は8日、刻々と変わる台風の位置や雲の様子と、市民が自分の目で見てリポートした災害関連の情報と写真を、米グーグルのデジタル地球儀サービス「グーグルアース」上に重ね合わせたデジタル台風マップ(http://typhoon.mapping.jp)を作成し、インターネットで公開した。
作成に利用したのは、国立情報学研究所が気象庁のデータなどを基に公表している台風情報「デジタル台風」の台風8号のデータと、民間気象情報会社「ウェザーニューズ」(千葉市)から提供された、ウェザーニューズ会員による各地の災害関連情報「減災リポート」。
これらの最新データを、1時間ごとにグーグルアース上に小さな円や三角形としてプロット。マウスでクリックすると、台風の中心位置や最大風速、増水した河川や窓に打ち付ける雨など会員から寄せられた写真や情報が表示される。マップ上のスライダーを動かせば、過去72時間までのデータを連続的に閲覧できる。
「デジタル台風マップ」は、気象庁などのトップダウン情報と、各地の市民一人一人が発信するボトムアップ情報を組み合わせることにより、台風が各地にどのような影響を与えているかをリアルかつ総合的に把握することができる。渡辺准教授は「マップを見ることで、単に『猛烈な台風』ということではなく、どの地域でどんな災害が起きているかがわかり、自分の地域に近づいてきたときも、その影響を先読みできる」と話す。
また、このマップでは市民の生の写真や声が非常に重要な役割を果たしている点が特徴。渡辺准教授は「市民が身の回りの情報を発信することが、離れた地域の人にも有用であるという感覚を感じてもらえるのでは」と話している。今回の台風データマップは、台風8号が通過した後も、後世の人が利用できるようにアーカイブとして保存しておくという。