最高裁で初の判断、建物の明渡しを求めた事案で勝訴・・・アヴァンセリーガルグループ

2014年07月08日|法律

賃料建替え済みでも賃貸契約を解除

アヴァンセリーガルグループ(東京都新宿区)は、6月26日、「賃料立替済みでも建物明渡が認められた重要判例」に勝訴した。賃貸人が、賃借人の賃料等の不払いを理由に賃貸借契約を解除したと主張して、建物の明渡しを求めた事案。この物件では、家賃債務保証会社(以下、保証会社)が保証契約を締結していたため、保証債務を履行して代位返済を行っていた。同弁護士法人は、賃貸人の訴訟代理人としてして本事案を受任。同弁護士法人所属の弁護士法人が訴訟を追行していた。
賃借人は、保証会社による代理弁済がされている以上、賃借人に賃料等の不払いはないと主張し、賃貸借契約を解除することができないというのが争点となっていた。
一方で、大阪高裁では2013年11月22日に次のような判決が下された。賃借人の主張に理由はなく、保証会社による代理弁済があっても賃料等の不払いの事実は消えず、賃貸借契約の債務不履行の有無を判断するにあたり、保証会社の代位弁済の事実を考慮することは相当でない。よって賃料不払いに基づく賃貸借契約の解除を認めるというものだ。大阪高裁判決について賃借人は上告および上告受理申し立てを行ったが、6月26日に最高裁判所により上告棄却及び上告審として受理しないと決定された。
同内容は初めての判例。これまでは、保証会社が家賃を立て替えた場合に債務不履行がなくなり賃貸借契約を解除できないという弁護士や下級審裁判所も存在していた。
「最高裁も上告を棄却等して、当該一般論を示した大阪高裁判決が確定されたことから、重要判例としての価値があると考えられます」(片山氏)

タグ:勝訴|賃貸契約解除|重要判例

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