2014-07-09

エリート情報系の諸君.今すぐ内定を蹴ってシリコンバレーに来なさい.

シリコンバレー新卒採用ソフトウェアエンジニアとして働く先輩として,君たちにN○Tよりシリコンバレーで働くことを勧告したい.理由は大きく3つある.

  1. 給料が遥かに高い.
  2. 就労環境が極めて良い.
  3. グローバルな人材になれる.もう少し正確に言うと,ソフトウェアエンジニアとして仕事があるところなら,世界中どこででも働けるようになる.

一言でいうと,シリコンバレーエンジニアとして働くことはとても幸せで充実しているかおすすめしたいということなのだが,何に幸せを見出すかは人それぞれ違うので,特に思いつく以上の3つのメリットをもう少し詳しく説明するので,一つでも興味が当てはまるのならいいから黙って話を最後まで聞いて欲しい.

給料が遥かに高い.

大まかにいって,20ドルから30万ドル年収が期待できる.これは日本サラリーマンとして働くことに比べると大変高給だと思う.

別に高給だから偉いというわけではないが,一日の多くの時間を費やして労働という形で給与を得る立場である以上,給料は最も大切な要因の一つであると思う.

それに,高給だと生活に余裕がでるし,贅沢も多くできるし,何より気持ちに余裕ができる.

それほど重要な要因である以上,誤魔化さず明確に数字を示すことが大切だと思うので包み隠さずいうと,僕の場合だいたい5年目までは以下のような給与カーブをとった.

1年目:15万ドル

2年目:17ドル

3年目:21万ドル

4年目:23ドル

5年目:26万ドル

6年目〜:僕も未知の領域なので詳しくはわからないが,30万ドル付近に一つの壁はあるように感じる.そこをいつ超えられるかどうかは完全に実力と出世次第.早い人なら5年目の時点で既に超えていると思う.

もちろんパフォーマンスによって変動する部分もあるし,昇進のタイミングによっても変わってくるが,君の給料プラマイ10%から大きく見てプラマイ20%以内には収まるだろう.一時,某ゲーム会社新卒年収最大1500万円というのが話題になったが,シリコンバレーでは皆が新卒普通に貰える給料なのである

僕のケースは大企業なので,ベンチャーとなるとまた話が変わってきて,僕の友人を見る限りでは,現金で貰える基本給・ボーナスが低い分,ストックオプションが貰えるようである.もし上場でもしようものなら,ストックオプションは大変な価値になるだろうから,より変動のある給料といえる.ただ基本給が低いとはいっても,新卒10ドル程度もらっていた.

税金日本フルタイムで働いたことがないので,詳しい比較はできないが,調べる限りではそう大きく差はないように思う.

よくシリコンバレー家賃が高いという指摘があるが,実際その通りで,だいたい月の家賃2000ドルから3000ドルレンジである独身ルームシェアを厭わないのであれば,もちろんもっと節約することは可能だし,ルームシェア日本よりずっと多いが,20ドルを超える給料を貰うと,正直なところ月2000ドル3000ドル程度の出費たいして痛くはなくなる.なぜなら平均した月の手取りが例えば11000ドルだとして,家賃に2500ドル払って,残りまだ8500ドル残る計算であるからだ.

なお,それ以外の生活費,例えば食費などは別段日本と変わらないか誤差の範囲である

就労環境が極めて良い.

日本人感覚だと高給取り=過労 and/or 首切りというイメージがあるが,こちらでは全くそんなことはない.そもそもプログラミングのような集中力がいって頭も使う仕事うそう何時間もぶっつづけでできるようなものじゃない.また仕事は極めて合理化されているので,この時間無駄だなと思う時間が全くない.実際僕の一日の実働時間は4〜5時間位だと思う.実働時間といったのは,リフレッシュのためにチームでテーブルサッカーをしたり,会社で用意される軽食やらお酒やらを楽しんだりする時間もあるからだ.それでもだいたい平均で一日会社にいる時間は7時間もないと思う.

また,働く時間場所についても相当に柔軟である.いつ会社に来ても,いつ会社から帰っても,また家から働いても,カフェから働いても,最終的に仕事さえやっていれば基本的には誰にも文句は言われない.もちろん,何の申請もいらない.例えば,最近では,ワールドカップがあると,ワールドカップ時間だけ家に戻って家族で楽しんでまた会社に戻ってくるなんてのが普通に気兼ねなくできる.

この辺の正確な塩梅会社やチームによって変わってくるが,ワールドカップ見に家に帰る,毎週金曜日はWFH (Work From Home) するという程度のことが許されないのはあまりない.さすがに,毎日WFHするのでそもそもアメリカにもいませんなんてのが許されるレベルになるとだいぶ少数派になると思うが.

有給も言うまでもなく自由に取れる.僕は今のこの就労環境を正直天国だと思っている.それくらいストレスを感じることなく自由に仕事ができる.

ちなみに念の為に言っておくと,リストラもない.数として0ではないが,よほど仕事しない限りない.

グローバルな人材になれる

これもその通りである日本日本語日本人と働いているだけでは,よほど君に突飛な才能がない限りグローバルな人材にはなれない.嘘だと思うなら,日本会社で働いている数年上の先輩に,世界中どこへでも転職できると思うか聞いてみるといい.殆どの人がNoと答えるだろう.別にそれは彼らに世界中で働ける資格能力がないというわけではない.単に世界で働けるか知らないし知らないから自信がないだけだ.シリコンバレー世界中から有能なエンジニアが集まっており,当然英語仕事をする.そこで実際に仕事をして身につくもっと大切なことは,自分世界で見ても一人前のエンジニアであるということを知れることである別に僕は何も特別存在ではない.心配しなくてもこれだけ高度な教育を受けられる日本で優秀な君たちは世界的に見ても優秀だ.しかし実際に身をもって体験しているかどうかという差は極めて大きい.実際に,僕はシリコンバレーで働いて世界エンジニアレベルは平均では思っているより低いと感じた.でも,それをいかに僕が説明しても恐らく君の自信には繋がらないだろう.なぜなら僕と君は当然違う人間だし,そもそも君はそれを実際に体験・体感していないからだ.シリコンバレーで実際に世界エンジニアと働き,自分と比べ,その中で世界での自分レベルを知れることは本当に有意義である.僕は,数年シリコンバレーで働いて,決して特別優秀ではないものの,一人前のエンジニアであると自信をもって言える.当然,英語も話せるようになった.もし,僕がアメリカでの生活に飽きたとしても,世界中ソフトウェアエンジニア募集がある所なら,ロンドンでもチューリッヒでもドバイでもブラジルでも,どこででも働ける.

(一応,誤解なきよう言っておくと,あくまで平均の話であって,世界で超トップレベルエンジニア想像以上に凄い.本当に凄い.今でも空想上の生き物にしか見えない.)

最後

以上を踏まえて,ここまで興味を持って読んでくれた人は是が非でもシリコンバレーで働くべきであるタイトル学生だけに限っているが,当然既に日本社会人としてプログラマとして働いている人も対象である日本学生社会人として会って話してよく聞くのは,もう少し日本で鍛えてから来たいとか,英語ができないからまず英語勉強してから来たいとかだが,はっきり言って両方とも馬鹿げている.日本で働けば働くほど,世界で働くエンジニアとは差が付くし,当然英語の成長も遅い.自分が働きたい環境にそえるようになってから働くのではまったくもって遅いし効率も悪い.働きたい環境自分を投げ込んで,自分を成長させるほうが遥かに効率がいいし正しい方法である目標が人を成長させるのではなく,環境が人を成長させるのだ.折角,大学を出たばっかりの君はまだ優秀なんだから無為時間を過ごすのではなく,黙ってシリコンバレーに身を投げ込めば,嫌でも仕事して生きていかないといけないのだから,何でもできるようになる.

自身英語勉強が大嫌いでアメリカで働きでもしない限り英語を話せるようにならないだろうというふざけた理由でアメリカに来た.当然,最初はろくに意思疎通すらできず,苦労したが,所詮僕らの仕事プログラミング.何も外に物を売りに行くわけでもない.自分がやらないといけないことさえ分かれば後は黙ってコードを書いておけば最初はなんとかなる.半年も経てば意思疎通はできるようになる.一年も経てば業務上問題無い程度に話せるようになる.

アメリカCS学生普通に卒業してシリコンバレーで働いているのであるシリコンバレーには星の数ほどIT企業存在して,全くソフトウェアエンジニアは足りていない.そうすると良くも悪くも必要とされるレベルも下がる.率直に言って,こんなレベルでよく採用されたななんて学生アメリカ大学を出ているというだけで山ほどいるのである日本プログラマ待遇のいいところなんて,某検索エンジン会社とか一部の外資系に限られていて,採用も限られているので,ほとんどの人はああいソフトウェアエンジニアとしての生き方は優秀なひとにぎりの学生のためにだけ存在すると考えているかも知れないが,それは大きな間違いである.某検索エンジン社は日本では指折りの待遇だと思うが,それでもなおシリコンバレー給与水準から見ると低いし,何もそんな狭き門をくぐらなくても,十分シリコンバレーでは働いていけるのである.凄く大雑把で主観的意見だが,君が東大京大情報系で上位半分にいるなら,まあ問題なく働けるだろう.プログラミングができない?アメリカCS学生日本と結局は似たようなカリキュラム勉強しているのだから心配しなくても彼らも同程度にできない.だいたいプログラミングなんて働いてから勉強しても遅くない.CSの基礎ができているなら,すぐ書けるようになる.むしろ大切な能力は未知のことを学び,物にし,アウトプットするというサイクルがどれだけ速く多くできるかということなのだが,本題から外れるのでここでは話さない.とにかく,敬遠せずにどんどん挑戦して欲しい.ただ,人手不足ではあるものの,基本的にこちらの面接保守的であるように思え,つまり,この人は確実に役に立つ,やっていけると思った人しかとらないように見える.また,会社によって積極的採用している時期もあればそうでない時期もある.だから,仮に面接に落ちてもそれは全くもってそこでやっていけないことを意味しないし,実際面接一定の期間をおいて何度でも挑戦可能であるし,知り合いにも3回目の挑戦で受かった人がいるので,仮に落ちたとしても何度も見なおして挑戦して欲しい.

繰り返しになるが,こんなに楽しく自由な環境で,こんなに高い給料がもらえて,こんなに成長できる環境は世の中のあらゆる仕事を探してもそうはないと思う.せっかく情報系に入ってソフトウェアエンジニアになれるチャンスと資格があるのだから,ぜひそれを活かしてほしい.健闘を祈る.

P.S. 匿名にて投稿してありますが,本文書は僕個人の意見を表明したものであり,所属する或いは所属した組織や団体の意見を表すものではありません.

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    よくわかんないんだけど、日本の会社はNT*に限定されてるけど、シリコンバレーならどんな会社でもいいの? 新卒でNTTに入社したいなら日本のそこそこの大学でそれなりの成績おさめて...

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    いやあ、リストラというかレイオフはあるよ。こっち来て5年なら2000年代前半の状況とか知らんでしょ。 まあ、それでも流動性は高いから、なんとか景気良くなるまで頑張って食いつな...