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ヘイトスピーチ 2審も賠償命令
7月8日 13時49分

ヘイトスピーチ 2審も賠償命令
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京都の朝鮮学校を運営する学校法人が、ヘイトスピーチと呼ばれる民族差別をあおる街宣活動で授業を妨害されたとして賠償などを求めた裁判で、2審の大阪高等裁判所は「人種差別という不条理な行為によって、児童や園児が被った精神的な被害は多大であった」と指摘し、1審に続き活動を行った団体に1200万円余りの支払いと学校周辺での街宣活動の禁止を命じました。

朝鮮学校を運営する「京都朝鮮学園」は、平成21年から翌年にかけて京都市の学校の周辺でヘイトスピーチと呼ばれる民族差別をあおる街宣活動が繰り返されて、その様子がインターネットで公開されたことで授業を妨害され名誉を傷つけられたとして、街宣活動を行った「在日特権を許さない市民の会」などに賠償などを求めていました。
1審の京都地方裁判所は去年10月、「人種差別撤廃条約で禁止された人種差別に当たり違法だ」として、1200万円余りの支払いと学校周辺での街宣活動の禁止を命じたのに対し、団体は「表現の自由の範囲内で違法性はない」などとして控訴していました。
8日の2審の判決で、大阪高等裁判所の森宏司裁判長は「団体の街宣活動が、社会的な偏見や差別意識を助長し増幅させる悪質な行為であることは明らかで、民族教育の運営に重大な支障をきたしただけでなく、今後も被害が拡散、再生産される可能性がある」と指摘しました。
そのうえで「人種差別という不条理な行為によって、児童や園児が被った精神的な被害は多大であったと認められる」と指摘し、1審に続いて活動を行った団体に1200万円余りの支払いと学校から半径200メートル以内での街宣活動の禁止を命じました。

差別許さないという動き後押しを期待

判決について「京都朝鮮学園」の孫智正理事長は「ヘイトスピーチは、いまだに日本各地に拡散しており、十分に抑止できていません。今回の判決が、差別を許さないという日本社会の動きを後押ししてくれることを心から期待しています」と話していました。

すべて解決するとは思っていない

また、朝鮮学校に子どもが通っているキム・サンギュンさんは「彼らのやったことの重大性が認められたことはうれしいが、当時いた子どもたちの健康や精神的な状況がすべて解決するとは思っていない。『在特会』と見たり聞いたりすることで、びくっとして苦しんでいる子どもが現在もいることを分かってほしい」と述べました。

団体側は最高裁に上告の意向

一方、街宣活動を行った団体の徳永信一弁護士は「街宣活動には行き過ぎがあったし不適切と認めざるを得ない。しかし、街宣活動やデモ活動に政治的主張の動機があり、政治的な表現の自由の一つの行使という重大な点について、高裁も1審と同様に非常に軽視したことが残念でならない」と話し、最高裁判所に上告する意向を明らかにしました。

人種差別行為に刑事罰の国内法を

今回の判決について、国際法の専門家で、京都市にある世界人権問題研究センターの安藤仁介所長は「今回の判断は1審と同様、国際条約である人種差別撤廃条約を根拠にしたもので、1審の判決の趣旨が変えられることなく採用された点で極めて妥当な判決だ。今後は、人種差別行為に刑事罰を与える国内法を整備していく必要がある」と話しています。

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