この3週間の間、イスラエルとパレスチナの緊張が、ガザ地区とヨルダン川西岸地区での衝突を引き起こしている。この衝突が、1987年と2000年に占領地で勃発した、イスラエルに対するパレスチナ人の民衆蜂起「インティファーダ」へ突入するかどうかを語るのは時期尚早だ。だが、これらの緊張の高まりをきっかけとして、どのようにことを鎮めるか、また可能ならば、双方がどのように2国共存案に関する対話を取り戻すかを考えるべきだ。
衝突は先月、イスラエル人少年3人が、ヨルダン川西岸地区で殺害されたことが引き金となった。イスラエルは、殺害がイスラム原理主義組織ハマスによるものと非難したが、ハマス側は犯行を認めていない。1週間前には、東エルサレムの森でパレスチナの少年1人が死体で発見された。これは(イスラエルによる)報復だと判断され、イスラエル警察によって6人のユダヤ人容疑者が逮捕された。緊張の焦点は、パレスチナ活動家がイスラエル南部にロケット弾で攻撃して以降、ガザに移った。
(この状況に対する)希望は、イスラエルとパレスチナの指導者、そして双方の社会が自制の姿勢を見せることだ。この難局の最大の危険は、1つの事件が大量の死傷者を生み、双方が自制しきれなくなることだ。2国共存案の協議は4月に決裂したが、イスラエルとパレスチナの指導者は、互いに対話を再開すべきだ。対話のない状況は、このところの衝突をきっかけに、さらに深刻な衝突を引き起こす可能性が非常に高い。
■決裂は信頼の欠如の結果
昨年ケリー米国務長官は、2国共存案を徐々に進める新たな試みを始めた。数十年の間回避されてきた交渉の妥結を目指し、9カ月の期限を設けたのだ。当初、イスラエルのネタニヤフ首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長は合意へ向け前向きな姿勢を見せていた。
だが、すぐに幻滅が広がった。パレスチナ人は、占領地で進められているユダヤ人入植の容赦ないペースと、最終的な決着はイスラエルのヨルダン渓谷への長期的な軍組織配置だと主張するネタニヤフ氏の固執に憤っている。一方ネタニヤフ氏側は、アッバス氏が、穏健派ファタハと、イスラエルがテロ組織と見なすハマスによる統一政権を樹立したことが、交渉中断を招いたとしている。
交渉の決裂は、双方の間の完全な信頼欠如によるところが大きい。非難の一部はアッバス氏にもある。イスラエルと米国は、パレスチナが交渉の外で、国連に働き掛けて国際会議に出席する申請をするなど、国家としての承認を得ようとするやり方に反発している。
この3週間の間、イスラエルとパレスチナの緊張が、ガザ地区とヨルダン川西岸地区での衝突を引き起こしている。…続き (7/9)
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