旅客船沈没:兪容疑者、2億円持って逃亡か

不動産購入の際、かばんから現金取り出す

 沈没した旅客船「セウォル号」の実質的なオーナーとされる兪炳彦(ユ・ビョンオン)容疑者(73)=前セモ・グループ会長=が、現金約20億ウォン(約2億円)の入ったかばんを持って逃亡を続けていることが分かった。

 仁川地検特別捜査班によると、兪容疑者は今年5月、兪容疑者が率いる宗教団体「キリスト教福音浸礼会(通称:救援派)」の施設「クムスウォン」(京畿道安城市)の近くにある救援派信徒の家に隠れた後、全羅南道順天市へ逃げる過程で、信徒の経営するドライブイン近くの別荘周辺の山林と農家を購入した。兪容疑者は救援派信徒の男(60)=逮捕済み=から紹介され、問題の不動産を所有者の男性から買い取った。検察は、兪容疑者が旅行用かばんから現金2億5000万ウォン(約2500万円)を取り出し、代金を払ったとの証言を男性から得た。検察はこの男性が証言したかばんの大きさなどから考えて、兪容疑者が20億ウォンほどの現金を持ち歩いていたと推定している。

 一方、検察は、兪容疑者の逃亡を手助けした救援派の信徒らが使用していた、他人名義の携帯電話約300台の番号も確保し、捜査を進めていることが分かった。検察は信徒らが、捜査機関の傍受が困難なメールなどを通じて連絡を取り合っていたとみて、送受信記録を調べている。

 また検察は、救援派信徒のリストを基に、信徒や兪容疑者の親族らが最近取り引きした不動産も全て調べている。これは政府による求償権行使や犯罪収益の回収に備えた措置だ。

アン・ジュンヒョン記者
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