マンション計画の白紙化、駅前開発の凍結、小売業の出店抑制――。東京五輪特需が沸騰するなか、建設業界で「深刻なリスク」が顕在化した。建設現場で実際に手を動かす職人の人手不足によって需給バランスが崩れ、職人の労務費は上昇の一途。それが建設コストの上昇につながり、建設工事が前に進まない事態が続出している。職人不足の弊害や実勢コストなどを継続的に取材してきた日経アーキテクチュア誌と日経コンストラクション誌による連載「建設人材危機」。第2回は、労務費高騰が首都圏のマンションに与える影響をリポートする。
働き盛りのファミリー層に、職人不足の影が忍び寄っている。前回紹介した、川崎市の向ケ丘遊園跡地で住宅開発計画を白紙撤回した小田急電鉄の事例は序章にすぎない。
分譲マンションを手掛けるデベロッパー数社に話を聞いたところ、各社から悲鳴に近い言葉が返ってきた。「事業判断上は黄信号。既に土地を取得していても、計画を諦めて土地を塩漬けにしたり、用途変更を検討したりすることもあり得る」
なぜ、このような状態に陥っているのか。デベロッパーは事業計画を立てる際に複数の要因を考慮しなければならないからだ。今は建設コストや分譲価格の要因が悩みの種で、建設コストの上昇が大きく収益を圧迫している。
特に、都市部と郊外部とで事業採算性に差が開き始めている。あるデベロッパーの担当者はこう語る。首都圏で言えば、神奈川や埼玉、千葉といった地域において「専有部の坪当たり建設コストは、現在70万~100万円。2年くらい前と比較すると、二十数%上がっている。この水準が続くと厳しい」
戸建て、マンション、小田急電鉄、労務費、人手不足、不動産経済研究所、東京カンテイ
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