兵庫県の野々村竜太郎県議(47)が政務活動費で不自然な出張を繰り返していた問題で、市民オンブズマン兵庫(森池豊武代表)が詐欺容疑などでの刑事告発や住民監査請求を検討していることが8日、分かった。
市民オンブズマン兵庫によると、過去3年分の政務活動費について県に情報公開を請求中。公開され次第、精査し方針を決める。森池代表は「返済して辞職で幕引きされるのは許されない。現行の政務活動費制度の改善を促したい」と話した。
架空の出張で政務活動費を受け取っていれば、詐欺罪にあたる可能性がある。県警の捜査幹部は「告発があれば、適切に対処する」と表明。刑事事件に発展する可能性が出てきた。
また、県議会事務局は、野々村議員が総務委員会による14、15日の調査と、18日の委員会を欠席すると発表した。理由は不明。5日に野々村議員から事務局にメールで「ご迷惑をお掛けしています」と連絡があった。欠席には委員長宛ての届け出が必要で、7日に担当者がメールで求めたが、返事がないという。
このほか野々村県議については、神戸市の久元喜造市長が「一刻も早く議員を辞職していただきたい。兵庫県民の代表として適格性を欠いているのは明らか」と厳しく批判。選挙区の西宮市の今村岳司市長も「彼に投票した人はその判断がどうだったかを考え、次の選挙に生かすべきだ」と求めた。
(紙面から)