韓国Samsung Electronicsは7月8日、2014年4〜6月期の営業利益が前年比で24.5%減少し、過去2年で最低となる見通しであることを明らかにした。同社の稼ぎ頭であるスマートフォンの販売伸び率の鈍化やウォン高が響いたという。
Samsungは世界最大のスマートフォンメーカーだが、市場の成長分野が新興経済国向けのローエンド端末へとシフトする中、低価格で機能充実の端末を提供する中国メーカーの激しい追い上げを受け、減益が続いている。
Samsungによれば、4〜6月期の営業利益は7兆2000億ウォン(71億2000万ドル)に減少する見通し。Thomson Reuters I/B/E/Sがまとめたアナリスト38人による予想平均は8兆3000億ウォンだった。
Samsungは4〜6月期決算を7月末あたりに正式に発表する。営業利益が7兆2000億ウォンというのは、2012年4〜6月期に6兆5000億ウォンの営業利益を計上して以来の最低水準だ。StarmineのSmartEstimatesはアナリストによる過去の業績見通しの精度を加味した予測を特徴とするが、そのSmartEstimatesによる7兆6000億ウォンという予想値も下回った。
Samsungは別の文書において、4〜6月期のウォン高とスマートフォン市場全体の減速が同社の最終損益にマイナス影響を及ぼしたと説明している。在庫削減のための販売コストも高く付いたという。
「7〜9月期に関しては、新しいスマートフォンの投入を予定しており、慎重ながらも前向きな見通しを抱いている」とSamsungは述べ、スマートフォンの販売増やメモリ事業の季節的な需要増を見込んでいることを明らかにしている。
だがそれでもアナリストは、7〜9月期も減益の傾向が続く可能性を指摘する。米AppleがSamsungの主力スマートフォンの強敵となる「iPhone」の最新モデルをリリースすることが広く予想されているからだ。そもそも、前年に計上した10兆2000億ウォンという過去最高の営業利益を上回ること自体も大変だ。
一部のアナリストからは、「ミッドレンジとローエンドのスマートフォン市場でシェアを維持するためには、Samsungは値下げ攻勢に出ざるを得ず、それが利益幅を狭め、成長を妨げることにつながりかねない」との指摘も挙がっている。
Samsungは8日、4〜6月期の売上高は前年比9.5%減の52兆ウォンとなる見通しも明らかにした。
アナリストは売上高を54兆ウォンと予想していた。前年比での減収は、Samsungが2009年に新たな会計基準を採用して以降初めてのことだ。
8日の業績予想の発表に先立ち、Samsungの株価は7日に1.1%下落したが、8日朝にはわずかに高値で取引が開始されている。
(1ドル=1011.0000韓国ウォン換算)
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