台風8号:沖縄に再び特別警報 記録的大雨の恐れ

毎日新聞 2014年07月09日 11時49分(最終更新 07月09日 12時39分)

台風の進路予想図(9日9時現在)
台風の進路予想図(9日9時現在)

 気象庁は9日未明、大型で強い台風8号の接近に伴って沖縄本島地方に出していた大雨・暴風・波浪特別警報を解除した。だが約4時間半後、「50年に1度」の記録的大雨になる恐れが再び強まり、大雨特別警報を本島地方に改めて発表した。

 台風8号は9日午前11時現在、東シナ海を時速約20キロで北へ進んだ。中心気圧は965ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートル。中心の東側330キロ以内と西側170キロ以内が風速25メートル以上の暴風域。

 気象庁によると、台風が遠ざかり勢力も弱まりつつあったことから9日午前2時52分、台風の強さを基準に本島地方に出していた全ての特別警報を解除。だが台風の南に発達した雨雲が本島地方上空に停滞した影響で、午前5時ごろから降雨が強まり、大雨特別警報の発表基準の一つである3時間雨量(午前11時現在の最大値)が、読谷村193ミリ▽名護市175ミリ▽那覇市157ミリといずれも地点観測史上最多を記録。午前7時31分に大雨特別警報を発表した。

 同庁で開いた記者会見で、海老原智予報課長は「特別警報を解除する段階でこれだけの短時間雨量は予想できなかった。災害発生の可能性が低い状況で特別警報を出し続けると、最大限の危機、切迫感を伝える情報としての効果が薄れてしまう」と説明した。

 特別警報の解除後、沖縄県内では宜野湾市や北谷町など8市町村が相次いで避難勧告を解除したが、再度の特別警報を受けて宜野湾市は再び避難勧告を出した。

 一方、台風の影響で暖かく湿った空気が梅雨前線付近に流れ込み、本州でも広い範囲で大気が不安定になり、新潟県では1時間雨量が65.0ミリとなった新潟市西蒲区などで地点観測史上最多を記録した。【狩野智彦、和田浩幸】

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