こんにちは。ライターの沼本有佳子です。仕事柄、なるべく色々なものを食べてみる機会を積極的に自分に与えるようにしているのですが、色々な料理を食べ歩いたり、作ってみたりして結局一番好きだなー、と心底思うのが「洋食」。洋食って、日本独特のもので懐かしくてほっとするそんな存在。文字通りの「安心」というワケですね。
さて、先日の東京出張でも老舗洋食店を訪問してきました。
創業は1895年(明治28年)。ちなみに、1895年というのは日本で初めての映画興行が始まった年でもあったりします。そして、樋口一葉が名作「たけくらべ」を雑誌「文学界」に連載開始した年。そのあたりの歴史に想いを馳せながら煉瓦亭へ行ってみましょう。
「元祖」がいっぱいあるお店
煉瓦亭には発祥とされるメニューが沢山あります。煉瓦亭のまかない料理だったひき肉とタマゴとご飯を混ぜてフライパンで焼き上げたものがオムライスの原型と言われています。(諸説あり)オムライス、きっと当時の人たちには衝撃的な料理だったのでしょうね。「なんかよく分からないけどオシャレで新しい!!」と話題になったに違いありません。当時はfacebookもtwitterもブログもありませんから、リアル口コミでゆっくり、でも確実に広まっていったのでしょう。
そんなことを考えている間に当時のまかない料理から発展して今のカタチとなった「元祖オムライス」が登場しました。
確かに、普段食べている一般的なオムライスとは違っています。最大の違いはタマゴ!!タマゴが完全にご飯と混ざり合っているのです。
これには事前に情報を得ていたにも関わらず、食べてみると想像していた食感と違っていてビックリしました。もっと乾燥したものを想像していたのですが、まるで、優しく炊きあげられたリゾットのような食感。普通のオムライスファンの人は初めて食べた時は驚くかもしれません。でも、なんだかクセになりそうな個性的な存在なのです。
スターメニューその2「元祖ポークカツ」
ポークカツ、すなわちカツレツ、とんかつ。こちらも元祖を掲げるメニューです。豚の脂の甘みがしっかり感じられるポークカツはシェアするなら是非(大)をオーダーして頂きたいですね!豚肉ファンの方は一人でもぺロリと食べられてしまうかもしれません。
とんかつ、って不思議なメニューですよね。世界中に似たような料理があって、どこの国でも大人気のスターメニューですが、それぞれに特徴がちゃんとある。例えば、日本のとんかつには「千切りキャベツにソース」というスタイルが定番ですよね。その定番を作ったのもこの煉瓦亭だと言われています。千切りキャベツ登場のきっかけは日露戦争中にシェフが徴兵されてしまい、誰でも簡単に出来る上、ソースによく合い、しかも安いから定着したのだそうです。普段何気なく食べているものにもこうして歴史があるというのが面白い。
スターメニューその3「小海老のフライ」
小海老のフライが美味しいのでオススメですよ、と同行したマダムに教えて頂き、「ではそれで!!」とお任せしたオーダー。小海老といえども、思っていた「小海老」よりも立派なサイズでした。そして、山盛りになった海老フライ。海老好きにはたまらないルックスです。さらに、タルタルソースの懐かしいことと言ったらもう。きつすぎず、優しい味わい。
銀座の歴史を見守ってきた老舗洋食店、観光名所としてもオススメです。懐かしい味を体験してみてくださいね。
紹介するお店
煉瓦亭
http://r.gnavi.co.jp/143whsp00000/
(ライター:沼本有佳子/編集プロダクション studio woofoo)