中国紙 日本への原爆投下連想させる広告7月8日 15時28分
日本の集団的自衛権の行使容認に中国政府が批判を強めるなか、中国の地方新聞が「日本は再び戦争をしたがっている」というタイトルとともに、日本への原爆投下を連想させる全面広告を掲載し、被爆者の心情を踏みにじるものとして批判を呼びそうです。
この全面広告は、中国内陸部・重慶市の共産党の青年組織「共産主義青年団」系の週刊の新聞「重慶青年報」が3日付けの最新号に掲載したものです。
広告では「日本は再び戦争をしたがっている」というタイトルと共に、日本の地図の広島と長崎の場所にきのこ雲を描き、原爆投下を連想させています。
次のページに掲載された社説では、日本の集団的自衛権の行使容認について「思いどおりに海外での戦争に参加し、武力行使できるようになる」と主張しているほか、「過去40年以上にわたって、われわれは対日政策で寛容すぎた」として、軍事力を強化し日本への警戒を強めるよう呼びかけています。
全面広告について「重慶青年報」は、NHKの取材に対して、新聞社としての広告であることを認めましたが、掲載の意図などの説明やコメントは拒否しました。
広告は安全保障政策を巡る安倍政権の動きを批判するねらいとみられますが、被爆者の心情を踏みにじるものとして国際的にも批判を呼びそうです。
岸田外相厳重に抗議する考え
この全面広告について、岸田外務大臣は閣議のあとの記者会見で「原爆のきのこ雲を描いていることは誠に不見識だ。唯一の戦争被爆国の外務大臣として、また被爆地・広島出身の政治家として容認できない」と述べたうえで、現地の総領事館を通じ事実関係を確認したうえで厳重に抗議する考えを示しました。
また岸田大臣は、同じ号に掲載された社説で日本の集団的自衛権の行使容認の閣議決定について「思いどおりに海外での戦争に参加し、武力行使できるようになる」と批判していることに関連して、「安倍総理大臣は日本が再び戦争をする国になることは断じてありえないと明言しており、日本の平和国家としての歩みに一切変わりはない」と述べ、批判は当たらないという認識を示しました。
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