安倍首相:「安保法基盤を一新」 豪議会で表明へ
毎日新聞 2014年07月08日 05時00分
【キャンベラ鈴木美穂】オーストラリア訪問中の安倍晋三首相は8日午前(日本時間同)、日本の首相として初めて首都キャンベラの連邦議会で演説する。首相は「なるべくたくさんのことを諸外国と共同してできるように、日本は安全保障の法的基盤を一新しようとしている」と述べ、集団的自衛権の行使を容認した閣議決定を踏まえ、安全保障関連の法整備を進める意向を表明する。
首相は「安全保障に関し、日本は長らく内向きだった。しかし今や一つの意思がある。地域と世界の平和を増すために貢献する」と述べ、行使容認に理解を求める。
第二次世界大戦で両国が戦った過去に触れつつ、「20世紀の惨禍を繰り返さないという日本が立てた戦後の誓いは今後も変わるところがなく、一切疑問の余地はない」と強調する。
また、8日午後(同)に行われるアボット豪首相との首脳会談で防衛装備分野に関する協定を締結することを踏まえ、両国の関係について「『特別な関係』を刻む、まさに最初の第一歩となる」と強調し、連携をアピールする。
中国の海洋進出については名指しを避けながらも、「主張する際は法を順守し、力や威嚇を用いない」とけん制。そのうえで「太平洋からインド洋に及ぶ広大な海とその空を、徹底的にオープンで自由な場として育てる」と呼びかける。
経済政策については「既得権やしきたりを、私自身をドリルの刃として打ち破ろうとしている」と説明。8日の首脳会談で調印する日豪経済連携協定(EPA)など、経済連携を進める意向を表明する。