サムスン電子の第2四半期営業利益は24.5%減、2年ぶり低水準
[ソウル 8日 ロイター] - 韓国のサムスン電子(005930.KS: 株価, 企業情報, レポート)は8日、市場予想を下回る第2・四半期業績予想を示した。スマートフォン販売の減速とウォン高で、営業利益は2年ぶりの低水準。売上高も減少を見込む。
第3・四半期は改善を予想したが、市場の成長が鈍り、低価格スマホメーカーとの競争が激化、さらにアップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)の新型「iPhone(アイフォーン)」発表が予想されるなど、環境は引き続き厳しい。
サムスンが示した第2・四半期の営業利益予想は24.5%減の7兆2000億ウォン(71億2000万ドル)。2011年第1・四半期以来、最大の減少率で、2012年第2・四半期(6兆5000億ウォン)以来の低水準となる。
営業減益は3四半期連続。トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリスト38人の予想(8兆3000億ウォン)、正確な値を算出するために集計方法を工夫したスターマイン・スマートエスティメーツの予想(7兆6000億ウォン)を下回った。
売上高は9.5%減の52兆ウォンと予想。減収は新たな会計基準を採用した2009年以来初めて。市場予想の54兆ウォンを下回った。
IBK証券のアナリスト、Lee Seung-woo氏は「サムスンに厳しい状況を再認識させる内容。高価格のスマホを販売する戦略は、もはやうまくいかない。中国勢が、同程度の商品をはるかに安く売っている。サムスンは、スマホ戦略の見直しを迫られている」と述べた。
昨年は最高益達成の立役者だったスマホの市場は、成熟しつつある。調査会社IDCによると、今年のスマホ出荷台数の伸びは19.3%と、2013年の39.2%から鈍化し、平均販売価格も下落する見通しだ。
一部アナリストからは、中国の華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]やレノボ・グループ(聯想集団)(0992.HK: 株価, 企業情報, レポート)などを追撃するためには、販売が伸びている中低価格帯端末を値下げするしかない、との見方が出ている。ただ値下げは、市場シェア維持の一助になるものの、利益率を押し下げ、短期間での利益回復を阻むことになる。 続く...