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国際
【軍事情勢】中朝韓人民を支配する「神話」
金一族の先祖はクマ?
対日戦勝(聯合)国に成りたい夢は韓国も同じ。小欄は過去に何度も指摘したので詳述しないが、いかにも夢が小さい。《檀君》を主人公に据えた、朝鮮建国神話並みの壮大な「脚本」が読みたい。何しろ、帝釈天の子が白頭山に降臨し、メスのクマと結ばれて檀君が誕生した。檀君が平壌を都と定めたのが紀元前2333年。その後、中国に統治され、山に隠れて山の神になった、という。寿命は1908歳だったとか。檀君が初出するのは1280年代で、中国の史書には一切記録がない。
日本神話の価値は「日本人としての価値観の源泉」にあるが史実も多い。小欄は、韓国の教科書にも登場する檀君神話に何とか史実を探し出そうとしたが、1993年をもってやめた。
この年、北朝鮮は5011年前の檀君の骨を見付けたと発表。金日成(キムイルソン)初代最高指導者(1912~94年)は檀君の末裔を自任し「祖先の加護により勝利を得た」と演説してもいる。ところが、そもそも日成自身の出自が謎だらけ。確かに日成は日韓併合(10年)以前、既に抗日パルチザンに挺身する人物として知られていた。
だがこの日成と、日本の敗戦後、ソ連から平壌に凱旋した後の最高指導者を同一人物とするには、数々の無理がある。日成が複数いないと話のつじつまが合わない。
日成死後、長男・金正日(ジョンイル)氏(1941~2011年)が檀君陵建設の大事業を引き継いだ。97年に総書記に就任するまでの3年間「白頭山に赤い雪が降った」「金色の鳥が舞い降りた」などの話も報じられ、一族の神格化は強化された。
金一族にはクマの血が流れていることになってしまう…。東アジア大陸は“神話”に満ちている。(政治部専門委員 野口裕之)
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