板垣麻衣子
2014年7月7日16時26分
長期停滞の出版界で、子ども向けの図鑑が元気だ。売り上げは伸び続け、新規参入によるシェア争いが激化。今夏は老舗が新シリーズを出して巻き返しをはかり、「図鑑戦争」の様相だ。夏休み前の需要を見込んで、書店も巻き込んだPR合戦も激しい。ブームの背景には、図鑑の魅力的な作りやレベルの高さがある。
6月末の日曜日、東京都江東区の紀伊国屋書店ららぽーと豊洲店。子ども用図鑑の特設コーナーに、親子連れが次々と訪れた。
近くに住む小学3年生の笠倉幸弥君(8)と父の英知さん(43)親子は、DVD特典映像付きの動物図鑑に釘付け。幸弥君は「動物がすごく好き」といい、ライオンのページに見入っている。自宅に既に図鑑はそろっているが、「子どもはDVD付きにひかれているみたいで」。新装版の購入も検討中という。
週末になると子育て中の若い家族でにぎわうこの書店では、夏休みを前に図鑑の特設コーナーをつくった。田中茂樹店長は「1冊2千円と決して安くはないのに、土日になると目に見えて売れる」。出版不況が続くなか、図鑑への期待は大きい。同書店では、全国で特設コーナーづくりに力を入れているという。
今夏は出版社の競争も激しい。学習図鑑の草分けの学研と小学館の老舗2社が、新シリーズの「学研の図鑑LIVE」と新装版「小学館の図鑑NEO」を相次いで刊行。新興勢力に対抗するため、小学館はドラえもんが案内する自然映像などをつけたDVD、学研は英国BBC協力の解説DVDを付けて、巻き返しに出た。
図鑑市場が盛り上がったきっかけは、小学館が2007年に出した「きせつの図鑑」と、09年の「くらべる図鑑」。動物や乗り物を羅列するのが主流だった従来の図鑑と異なり、「速さ」「大きさ」などの「テーマ」で切り取る見せ方が受け、大ヒットを記録。「工夫次第で図鑑は売れる」と見直された。
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