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- 「仁義なき戦い」トークバトル 第2回「名キャラクターと名セリフ」
- ペリー
- そんなわけで、「仁義なき戦い」を語る、第二回のテーマは「名キャラクターと名セリフ」です。
- 秋本
- 人気キャラクターといえば、なんといっても千葉ちゃんの大友勝利でしょう。
- 杉作
- そりゃあねえ!
- ペリー
- なんか、うれしそうですね。ふたりとも。
- 杉作
- 実際、身近にいたら困るけど、画面で観たら、あんなに面白いキャラクターはないですよ。歩きながら、竹刀でテーブルの上の物をバンバン叩き壊しながら歩くって、大友か、間寛平ちゃんしか知らないもん。
- 秋本
- 男なら、自分も一度あんくらいめちゃくちゃに生きてみたいと思いますよ。
- ペリー
- テーブルバンバンやりたい。
- 杉作
- 大友はまた、言うことが素晴らしい。「わしらは、うまいもん食うて、マブいスケ抱きたくて、そのために生きとるんやないの」と。言われてみると、その通り!なんですよ。
- 秋本
- 人間の生の欲望を全開しちゃうと、大友勝利になるわけですよ。太く短く。海賊みたいなもんだね。「パイレーツ・オブ・カリビアン」[※1]だって、やつら、めちゃくちゃやってるわけでしょう。
- ペリー
- ジョニー・デップも千葉ちゃんを見よと。
- 秋本
- 大友勝利は、やくざの生き方を「オ○○の汁吸うて生きとるんじゃないの」と言い放つ。シリーズ中の名セリフの決定版とも言っていい。普通言えないですよ。
- 杉作
- 思いっきりストレートですからねえ。しかも、真実をついているという。
- ペリー
- 当時、千葉真一(現・JJサニー千葉)といえば、テレビの「キイハンター」[※2]とかで、二枚目で超人気でしたよね。よく、ここまでやりましたよね。
- 秋本
- 本来は、北大路欣也と千葉真一の役は逆だったんですよ。それが直前になってひっくり返った。
- 杉作
- すっかり山中の役作りもしていた千葉さんは、「うりゃー!」と壁を叩くくらい苦しんだみたいですよ。
- 秋本
- でも、そこからとことん役者根性を出して、大友を自分のものにしたのは、すごいですよ。その後のインタビューで、千葉さんは、この役をやらせてくれた深作さんに感謝していると語ってますからね。
- ペリー
- 「仁義なき戦い」シリーズでは、前の作品で死んだはずの俳優が、別の役で登場することも多いですよね。梅宮辰夫兄さんも、一作目は眉毛があったのに、後の作品ではすっかり眉毛が…。
- 秋本
- それは「仁義なき戦いの美しきゾンビ伝説」といって、いろいろ言われたこともあったけど、結果的にはこのシリーズの楽しみにもなってますよ。
- 杉作
- 松方弘樹さんも何度も出てますけど、役によってみんな違いますもんね。
- 秋本
- 松方さんは、一作目の坂井鉄也の印象が強くて、深作さんからは「いつまでも坂井の鉄っちゃんじゃないだろ。キャラ考えてこいや」と言われて、肺病病みのキャラを作り出したそうですよ。
- 杉作
- 松方さんの市岡(「仁義なき戦い完結篇」)はすごかった。千葉ちゃんから代わって、大友勝利役になった宍戸錠さんと酒の席でふたり雁首そろえるときのふたりは、メイクもものすごくて「ドクターモローの島」[※3]みたいでしたよね。
- 秋本
- まるでヘビとマングース。
- ペリー
- 女性キャラでは、渚まゆみはいい味を出してますね。北大路欣也の山中が惚れこむ戦争未亡人の梶芽衣子より、共感できる。
- 秋本
- 戦後の混乱期から、腕力も権力もない女性がどう生きていくか。力のある男を乗り換えていくしかないんですよね。渚まゆみは「うちは関係ないんじゃけん」と、男を替えることについて、名セリフを言ってますよ。
- 杉作
- 女性はしたたかですよね。中で一番いいのは、山守組長の奥さんの木村俊恵さん!山守と広能昌三が決裂しそうになると、さっと中に入ってきて、「昌ちゃんのことは、いつも大事に思っとるんよ」と、あることないこと吹き込む名人なんですよ。この奥さん、ちょっと色っぽいから、男は、ついつい言うことを聞いてしまう。
- 秋本
- からめ手でね。うまいんですよ。
- 杉作
- 秋本さん、熟女好きにはたまらないでしょう。
- 秋本
- そうだねえ…。
- 杉作
- あんなにしたたかで強い女性のイメージだったのに、木村さんはシリーズ途中で亡くなりました。残念でした。
- ペリー
- 代わって、山守夫人役になったのは、中原早苗さんですね。深作監督の奥様。名キャラでいえば、山守親分本人についても語らなければなりませんね!
- 杉作
- 山守の金子信雄さんは、シリーズの狂言回し的存在ですが、彼の動きを見ると、やくざ社会の歴史がわかるんですよ。始めは勢力を伸ばそうとガツガツしてるけど、シリーズの最後じゃ、エロ話しかしない。これは、終戦の混乱から時間がたって、やくざ社会が落ち着いてきたという証拠なんですよ。
- 秋本
- 山守のエロセリフでは、喪服で葬式を仕切る野川由美子を見て、「ええケツしとるのう。ありゃあええ、ありゃあええ」っていうのが最高だったね。
- 杉作
- それを聞いた山城新伍が「おやっさん、よだれ出とります」と言うと、山守が「おうおう」って。
- 秋本
- 役者の芝居の見せ場バリバリ、重箱の隅まで面白いんだよ。
- 杉作
- 親分では、「代理戦争」の打本、加藤武さんもよかったですよねえ。
- 秋本
- 次々強力なキャラがちゃんと入ってくるからね。
- 杉作
- そういう意味で、「仁義なき戦い」は、ある意味、モーニング娘。やAKB48と同じ、グループアイドルとしても見られるんですよ。
- 秋本
- なるほど!!
- ペリー
- なるほどって、秋本さんまで…。
- 杉作
- たとえば、「広島死闘篇」の大友勝利の千葉ちゃんは、モーニング娘。でいえば、後藤真希のインパクトでしたね。加藤武は、AKB48のまゆゆ。
- 秋本
- わかる人にはわかるたとえなんだろうね。
- ペリー
- この辺で止めましょう。
- 杉作
- 広能たち各組はユニットですから。打本組は「渡り廊下走り隊」かな?山守?打本?あなたはどのユニットが好き?ま、私の場合は…
- ペリー
- では、次回は「どうしても話したい名場面」をお願いします。杉作さんもお願いしますよ!
※1「パイレーツ・オブ・カリビアン」ジョニー・デップ演じる海賊ジャック・スパロウを主人公にした映画シリーズ。第一作の公開は2003年。 ※2「キイハンター」1968年~73年TBS系で放送され、最高視聴率30パーセントを超えた人気ドラマ。千葉真一は、警察では手に負えない国際犯罪に挑む「キイハンター」の一員で元新聞記者の風間洋介役。多彩なアクションと洒落っ気で、人気者に。 ※3救命ボートで孤島にたどりついた若者が学者に助けられる。その学者がしていた実験とは…。原作はH.G.ウェルズのSF作品。これまで三度映画化されている。最新作は96年マーロン・ブランド主演版。