「改正児童ポルノ禁止法」成立とGoogleによる児童ポルノ規制の関係は?
THE PAGE 7月2日(水)10時0分配信
近年は児童に対する性犯罪を防止するべく、世界的に児童ポルノの規制が進められています。ここでは6月18日に日本で成立した「改正児童ポルノ禁止法」、そして現在話題となっているGoogleによる児童ポルノ規制について見ていきます。
「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」、いわゆる「児童ポルノ禁止法」と呼ばれる法律の改正法が、6月18日の参議院本会議において賛成多数で可決・成立しました。同法律の改正は2004年以来、10年ぶりとなっており、早ければ7月にも施行される見通しです。
従来の児童ポルノ禁止法は、18歳未満の子どものわいせつな写真や動画などを第三者に販売した場合などが処罰の対象でした。しかし、今回成立した改正児童ポルノ禁止法では児童ポルノの販売だけでなく“所持”も禁止。自らの性的好奇心を満たす目的で所持した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。ただし、現時点で児童ポルノに相当するものを所持している人もいるため、法律の施行から1年間は罰則を適用せず、処分の猶予期間を設けるようです。
なお、規制対象としては「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀(でん)部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」と定義されていますが、漫画/アニメ/CGなどのコンテンツに関しては表現の自由を侵害する可能性があることから対象外となっています。
こうした児童ポルノの取り扱いは、インターネット上でもさまざまな議論が行われていますが、6月初旬には米Googleが提供する検索エンジン「Google」での異変が話題になりました。これは、児童ポルノに関連性の高いキーワードで表示される検索結果が、従来と比べて不自然なほど著しく減少したというものです。
具体的には6月6日頃を目処に、少女や幼女を意味する「ロリータ」の略語「ロリ」と、性的な意味合いの強い「エロ」や「陵辱」といったキーワードを合わせて検索すると、検索結果が著しく少なくなっていました。検索結果の内容的には、従来含まれていたアダルト系や風俗関連に加え、漫画・小説などを扱う同人サイトまで、性的表現を扱うWebページが根こそぎ省かれているのです。
この件について、Google検索チームは「Googleプロダクトフォーラム(https://productforums.google.com/forum/#!topic/websearch-ja/7X_8d4DoxcE)」(※要ログイン)の中で、ユーザーからの問いに「Googleでは、児童への性的虐待に対して厳粛な対応を行っており、これらの違法なコンテンツをGoogle製品で表示しないように取り組んでいます。この取組みは困難な課題であり、完璧に対応できているとはいえませんが、Googleでは、コンテンツや検索キーワードの識別精度の向上を始め、アルゴリズムの改善に常に注力しています(原文ママ)」と語っています。
日本で同時期に成立した改正児童ポルノ禁止法との関係性は特に触れられておらず、6月30日時点では一部キーワードによる検索結果が回復しているようですが、「ロリ エロ」などは依然として少ないまま。もともと米Googleではインターネット上の児童ポルノ撲滅に力を入れており、2013年からは取り組みを大幅に強化してきました。今回の検索規制は、その一環として段階的にアルゴリズムの改善が行われているような印象を受けます。
最終更新:7月2日(水)10時0分
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