大手ゲームソフト会社カプコンの株主総会で、買収防衛策を継続する会社側の提案が反対票約52%で否決された。買収防衛策は、経営陣の保身につながりかねないとして株主の評価が低く、自主的に廃止する企業も増えている。「バイオハザード」「モンスターハンター」などのヒット作を抱える同社が敵対的買収の標的になる可能性があるのが提案理由だが、投資家にとっては買収は保有株を高く売るチャンスで、経営陣とスタンスが異なる。外国人株主らの存在感の高まりで日本的な企業防衛は岐路を迎えている。
6月16日、大阪市内で開かれたカプコンの株主総会。議事は事業紹介や議案内容の説明、質疑応答など淡々と進んだ。そして買収防衛策を継続する議案の採決で、会場に賛成の意を表す拍手が盛大に鳴り響いた後、辻本憲三会長は、こう説明した。
「会場のみなさまからは賛成いただきましたが、買収防衛策の議案は、事前の招集通知書とインターネットによる採決で反対が過半数となり、否決となりました」
会場では一瞬、一部の個人株主らに首をひねるようなしぐさがみられたが、どよめきや、やじのたぐいはなく、否決について追加の質問要請もなかった。
出席していたのがほとんど個人株主で、機関投資家と違って買収防衛策についての関心が低かったため大きな混乱などはなかったとみられる。
copyright (c) 2014 Sankei Digital All rights reserved.