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頭痛と天気、やっぱり関連 ビッグデータ用いて解明

(2014/7/ 4 14:23)

 気象の変化と頭痛の関連を鎮痛剤の売り上げデータで裏付けたとする研究成果を、浜松医科大(浜松市東区)健康社会医学博士課程3年の尾関佳代子さんが4日までに、国際的な生物気象学専門誌に発表した。分析の結果、鎮痛剤の売り上げは雨や台風など天候の悪化で明らかに増加することが分かった。

◇天候悪化→鎮痛剤販売増
 同大によると、これまで慢性的な頭痛患者は天候が崩れる前に発作が生じやすいことが一般的に知られていたが、鎮痛剤の売り上げデータを用いて気象と発症の関連を明確にした研究は初めてという。
 尾関さんは杏林堂調剤学術部に所属する薬剤師で、同社の協力を得て研究を実施。調査は2011年4月1日〜12年3月31日の1年間、静岡県内の杏林堂52店舗で解熱鎮痛剤「ロキソニンS」数十万錠の売り上げを調査し、県の気象データと比較した。12年12月の1週間には購入者全員を対象に購入理由や購入時の症状を質問した。
 分析結果によると、鎮痛剤の売り上げは購入前日に比べ当日の気圧が低下、降水量が増加、湿度が上昇し、悪天候へ変わる前兆がみられた場合に増加した。尾関さんは「薬剤の売り上げという医師を受診しない患者の動向を把握できるビッグデータを用いて、関連を解明できた」と強調する。
 この研究で、天気予報を参考にして患者に症状への注意を促す有効性が裏付けられた。健康社会医学が専門の尾島俊之・同大教授は「興味深い結果が出た。昔から言われていることが、感覚ではなくデータとして立証できた」と述べた。

◇メモ
 ビッグデータの活用とは、買い物記録や、パソコン、スマートフォンなどから発信され、記録、蓄積された膨大な電子データを分析し、研究やマーケティングに生かす取り組み。ポイントカードを使ったコンビニの購買履歴を分析し、どんな商品が流行するかを予測するなど活用が広がっている。「ロキソニンS」は処方箋なしで購入できる鎮痛剤だが、薬剤師による対面販売が必須。販売数を正確に把握できるため、今回の研究で販売データに着目した。

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