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【経済】

人手不足倒産が急増 バブル期以来 中小の経営圧迫

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 人手不足を原因とした企業倒産が各地で広がってきた。バブル崩壊後の景気停滞期にはほとんど見掛けなかったが、景気が上向きだした昨年から目立ち始め、ことしはさらに倍増する勢いだ。賃上げによる人材獲得競争はコスト増を招いて中小企業の経営を圧迫しており、経済再生の足かせとなる懸念が強まっている。

 東京商工リサーチによると、二〇一四年上半期(一〜六月)は求人しても人が集まらない「求人難」による倒産が十件、「人件費の上昇」による倒産は十件だった。年間を通してそれぞれ十件と九件だった一三年を、ことしは半年で既に上回るペースとなっている。

 求人難による倒産はバブル期に膨らみ、末期の一九九一年には二百五十八件に達したが、九〇年代の半ば以降はほぼゼロの状態が続いていた。

 ことしに入って状況は一変し、人手不足による倒産は今後も増える見通しだ。倒産に至らなくても休業や自主廃業に追い込まれる「隠れ倒産」も増加しているという。

 「求人難」と「人件費の上昇」を理由とした一四年上半期の倒産のうち建設業が八件と半数近くを占める。民主党政権が削減した公共事業を安倍政権が一気に復活させた結果、各地で技術者不足が深刻化している。

 五月には東京の中堅建設会社、岩本組が人件費の高騰で経営が行き詰まった。東京商工リサーチは「人材不足は飲食業や小売業でも表面化しており、倒産が広がる恐れがある」と指摘している。

 

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