号泣県議、運休なのに特急乗った!実質的に不可能…往復分1万5340円
政務活動費の使途に疑義が生じている兵庫県の野々村竜太郎県議(47)=無所属=が、西宮市の自宅からJR城崎温泉駅(同県豊岡市)に日帰り出張したと収支報告書に記載している昨年9月2日は、大雨により特急の多くが運休し、日帰りが極めて困難だったことが5日、JR西日本への取材で分かった。野々村氏は城崎温泉への往復は、常に最高額となる往復1万5340円を申請しているが、その申請額の信頼性が揺らぎ始めた。
問題の昨年9月2日は、早朝から県内各地で大雨を記録した。気象庁は県内の各地に大雨、洪水、雷警報を出すなど大荒れの天気。土砂崩れなども発生し床下浸水など住宅計230棟以上が被害を受けた。
JR西によると、雨量計の規制値を超えたため、京都方面を経由して3時間近くかけて城崎温泉に向かう「特急こうのとり」下り線は始発が部分運休し、その後は午後6時台の電車まで全面運休。再開した後も大幅に遅れた。姫路方面を経由する「特急はまかぜ」も始発から運休し、夕方にようやく再開したため日帰りは不可能だった。
普通電車を乗り継ぐなどすれば日帰りはできなくはないが、号泣した釈明会見で野々村氏は、城崎温泉への日帰り出張の経路について記憶にないとした上で、「出張はグリーン車を使った」と説明していた。
昨年度の政務報告書では、野々村氏の自宅最寄り駅からJR城崎温泉駅まで、往復分1万5340円を106回申請。出張先として次に多いJR佐用駅では往復1万1560円を62回分計上した。昨年9月は城崎と佐用を15回訪問。3月は両駅を年度最多となる19回訪問したと報告した。
195回分、約300万円の出張旅費を計上していた野々村氏に対し、県議会全5会派は「説明責任を果たさず、会見の醜態は議員としての資質を疑わざる得ない」などと議員に説明を求める申し入れ書を議長に提出。自民党会派には議員辞職を求める声もあり、7日の会派代表者会議は辞職勧告を含む野々村氏への対応や政務費の報告ルールを協議する。
野々村氏は「説明は尽くした」として記者会見後は報道各社の取材を拒否し、雲隠れを続けている。西宮市内にある自宅はこの日もひっそりとした様子。購読している新聞が何日分も玄関ドアにたまり、室内の電気の稼働を示すメーターも止まったままだった。