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【ゴルフ】

遼、3位浮上 長嶋さん「いけるよ!」

2014年7月6日 紙面から

第3日、9番でティーショット放つ石川遼=ザ・ノースカントリーGCで

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◇セガサミー・カップ<第3日>

 ▽5日、北海道千歳市、ザ・ノースカントリーGC(7050ヤード、パー71)▽晴れ、気温19・4度、風速6・6メートル▽賞金総額2億円、優勝4000万円▽69選手(うちアマ2人)▽観衆5274人

 石川遼(22)=カシオ=が1年8カ月ぶりの優勝へ、大きく前進した。5バーディー、1ボギーの67で回り、通算6アンダー、2打差の3位に浮上した。最終日は最終組で回る。プレー後は大会名誉会長である巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(78)から「(優勝争い)いけるよ!」と激励された。小田孔明(36)が通算8アンダーで単独首位。川岸良兼(47)=ミズノ=と同組で新旧怪物対決に臨んだ松山英樹(22)=レクサス=は、2日連続のパープレーで23位タイとなり、V争いは厳しくなった。

 18番で50センチのバーディーパットを打とうとした石川にピリリと電気が走った。ふとクラブハウス前の来賓席を見上げると青いブレザーを着た長嶋さんがにこやかな顔で座っているではないか。毎年ミスターは最終日だけやってきて、表彰式のプレゼンターを務める。それが、今年は3日目から観戦に訪れたのだ。

 そのパットを慎重に沈め、通算6アンダーにした後、長嶋さんの元に駆け寄った。直立不動でしばし談笑。握手しながら「3打差だから、(あしたは)いけるよ! いけるよ!」と励まされた。「姿を見たときはびっくりしましたよ。まさかもう来られているとは。大会にかける熱い思いを感じました。背中を押してもらいました」。報道陣との取材の間も、興奮は冷めなかった。

 5バーディーを奪ったが、内容には納得できなかった。特にドライバーが振り遅れ気味で、右に押し出すショットが何度も出た。朝の練習ではまったく出なかった球だ。気持ちの悪さを抱えたまま、小技でスコアをつくってインへ。ようやく手応えをつかめたのは、縦に下ろす感覚で振り抜き始めた17番からだという。強い逆風が吹いた18番は誰もが3オン狙いに切り替える中、第1打で300ヤード以上かっ飛ばし、4番ウッドでの2打目は鮮やかなドローの軌跡を描いてグリーン奥へ。ショットの鋭さでギャラリーを驚かせた。

 今大会は先月26日から始めた1カ月間の北海道強化合宿のひとつと位置付ける。前日もプレー後、宿舎に戻って3時間半打ち込んだ。勝つことより鍛えることを目標にしている。「最終日最終組は、日本の試合で自分に課している最低限の目標。小細工でなく、あくまで理想のゴルフを目指したい」というが、ライバル松山から主役の座を奪い「勝つチャンスがあるとき、確実にものにする」とも。ミスターから3日目にパワーをもらい、最終日には、2012年11月の三井住友VISA太平洋マスターズ以来の優勝カップをもらう。 (大西洋和)

 

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