黒夢　清春　名古屋から最後の全国ツアー

　若者からカリスマ的な支持を集める人気ロックバンドの黒夢が１９日に名古屋市のＺｅｐｐ　Ｎａｇｏｙａから“最後の”全国ツアーをスタートさせる。１９９４（平成６）年にデビュー、９９年に突然の無期限活動停止を発表、１０年間の活動停止後、復活した。今回の全国ツアーが最後のツアーと見られる黒夢のボーカル、清春（４５）がツアーへの思いを語った。

　ヴィジュアル系ロックバンドの先駆者で、メッセージ性の高い楽曲と圧倒的なパフォーマンスで特に若い男性に高い人気を誇る黒夢。今回のツアーの狙いについて清春は、「ちょうどデビュー２０周年。活動停止前の最後のツアーは、ベースの人時と険悪なムードもあって、本番以外では口も利かなかった。若かりしころの確執も５年間再活動したことで、今は滑らかになった。あのころできなかったいいムードで“いい区切り”を迎えたい、悪い記憶をいい記憶に塗り替えたいと思っている。修復できた５年間のフィナーレでもあり、集大成ですね」と語った。

　今回のツアータイトルは「ＢＥＦＯＲＥ　ＴＨＥ　ＮＥＸＴ　ＳＬＥＥＰ」。今後について「黒夢が楽しい面もあるが永遠に黒夢だけをしていくことはない」と再び休止に入る可能性を指摘した。

　国民的音楽番組であるＮＨＫ紅白歌合戦に出演経験はないが、「これまでオファーがなかった」そうで「奇跡的にまさかのオファーがあれば、一度くらいは出演したい」とした。

　ツアースタートは人時の誕生日で、ツアーの第１シーズンが終わるのは清春の誕生日の１０月３０日。その後男性限定のライブを東京と名古屋で行った後、第２シーズンは１２月４日にスタート、デビュー日の来年２月９日にファイナルを迎える。

＜黒夢（くろゆめ）＞　１９９１（平成３）年結成。メンバーはいずれも岐阜県出身のボーカルの清春とベースの人時（４１）。９４年２月、「ｆｏｒ　ｄｅａｒ」でメジャーデビュー。９５年、日本ゴールドディスク大賞ベスト５ニューアーチスト賞を受賞。９０年代後半のロックシーンをリードしたが９９年、突然の無期限活動休止を宣言。２００９年１月２９日、日本武道館で一夜限りの復活、解散ライブを行った。