28歳の誕生日を迎え、報道陣からケーキを受け取りご機嫌の稀勢の里=愛知県長久手市の田子ノ浦部屋宿舎で(布藤哲矢撮影)
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名古屋場所(中日新聞社共催)で初優勝を目指す大関稀勢の里(田子ノ浦)が3日、28歳の誕生日を迎え、8年ぶりの日本出身力士Vと横綱昇進に向けて固い決意を誓った。
サプライズが待っていた。この日は、愛知県長久手市の田子ノ浦部屋宿舎で高安との三番稽古に16戦全勝。順調な調整ぶりをうかがわせた稽古後、報道陣からケーキを贈られた。年齢を表した「28」と「72?」のろうそく。第72代横綱は稀勢の里? との期待も込められていた。
「忘れられない誕生日になった。体は10代の時より元気かもしれない。これからもっと良くなっていけると信じてやっていきたい」。成長を続ければ賜杯、そして最高位にたどり着ける。そんな思いを口にした。
昨年の名古屋を含めて2度の綱とり場所に加え、初場所千秋楽に休場した。春場所もかど番を乗り越えた。「休場したこともあったし、忘れられない」と1年を思い返しつつ、「いろんな経験ができた。28(歳)になって全てを出し切れれば」と次の1年を全力で突っ走る覚悟だ。
稽古場から引き揚げるともうひとつサプライズが。宿舎のある長久手市を中心に活動する「長久手素人そば打ち愛好会」から打ちたてのざるそばを振る舞われた。「コシがあってうまい!」と稀勢の里は絶賛。ダブルのお祝いを力に変えて28歳最初の場所で結果を残す。 (永井響太)
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