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【サッカー】

ネイマール 第三腰椎骨折 大きすぎる4強代償

2014年7月6日 紙面から

 6度目の世界一を狙う地元ブラジルがコロンビアとの南米対決を2−1で制し、優勝した2002年大会以来3大会ぶりにベスト4に進出した。だがエースのネイマール(22)が接触プレーで脊椎を骨折し、悲願の開催国優勝に暗雲が垂れ込めた。ともに優勝経験を持つ欧州勢同士の対戦は、ドイツが前半13分のフンメルスのゴールでフランスを1−0で下し、史上初めて4大会連続の4強入り。8日(日本時間9日)の準決勝で、ブラジルとドイツが対戦する。

◇ブラジルW杯 第20日準々決勝 ブラジル2−1コロンビア

 コロンビアに2−1に追い上げられていた後半41分、悲劇は起きた。相手CKのこぼれ球を背番号「10」が足元に収めようとした瞬間、背後からジャンプしてきたDFスニガの右膝が腰を直撃。ピッチに倒れたネイマールは身動きが取れず、苦痛に表情をゆがめる。号泣し、右手で顔を覆ったまま担架で運ばれた。

 スコアは動かず試合は終了し、ブラジルの準決勝進出は決まったが、その代償は大きかった。スタジアムから直行した病院でCTスキャンを受けた結果、第三腰椎を骨折していることが判明。チームドクターのロドリゴ・ラスマール医師は「手術は必要ではないが、患部を固定しなければならない。それが約4週間。残念だが、W杯の試合には、もう出られない」と残り試合の出場は絶望となったことを明言した。

 この大会で結果を出すために、すべての照準を合わせてきた。ネイマールを中心としたチームづくりが進む中、親善試合でも決して手を抜かない姿に、スコラリ監督は大きな信頼を寄せてきた。4月に左足に全治4週間のけがを負ったが、周囲を驚かせるほどのコンディションで5月26日の準備合宿に合流。大会に入っても毎試合多くのファウルを受け、痛みを抱えながらも、ピッチを縦横無尽に走り回り、攻守に全力を尽くしてきた。

 だが、王国を支えてきた若きエースのW杯が事実上終わった。フッキは「本当に悲しい。チームは素晴らしいクラッキ(名選手)を失ったんだから」と沈み、またフレジは「ネイマールが乗り越えてきたすべての困難、そして、チームのために払ってきた犠牲や献身的な姿勢を見てきた。あのクオリティーの高さを考えても、こんなことが起こるのは本当に悲しい」と肩を落とした。

 だが、下を向いてばかりではない。フレジは「僕らがやらなければならないのは、彼のために勝つことだ。ドイツを破って決勝に進出し、それを彼にささげるんだ。ネイマール、僕らは君と一緒にいる」とメッセージを発した。「ネイマールのために優勝を」。セレソンの誰もがそう願っている。 (藤原清美)

 

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