ピン手前2メートルのウイニングパットが決まった瞬間、石川が両手を高々と突き上げた。プレーオフ3ホール目の18番グリーン。激闘に終止符が打たれると、息をのんで見つめていたギャラリーは大歓声を上げながら総立ちとなった。
「長嶋さんの前で優勝できて感激ですし、うれしいのひと言です。一生の思い出です」
ホールアウト直後、目を輝かせながら真っ先に向かったのは、大興奮の長嶋氏が待つ約50メートル先の観覧テント。正午に20度以上あった気温は15度と肌寒くなっていたが、笑顔で握手を交わす2人の周囲は温かい祝福ムードに包まれた。