本しゃぶり

骨しゃぶりの本と何かを繋げるブログ

【インド】三部放映中 聖地巡礼中 / “ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース”

f:id:honeshabri:20140611055945j:plain

インドは年間が3つの季節に分かれている。
そしてその一つは“Hot” もう一つは“Hotter” またもう一つが“Hottest”である。
俺は6/8〜6/14という歴史レベルで“Hottest”の時にインドへ行ってきた。
時事ドットコム:首都圏で気温47.8度=過去62年間で最高-インド

この過酷な時に行った理由はたったひとつだ。たったひとつの単純な答えだ…

f:id:honeshabri:20140629194231j:plain

三部が絶賛放映中なので。

出発前

4月時点

去年はトランスフォーマー聖地巡礼をやって楽しかったので、今回もまた何かの聖地巡礼を行おうと考えていた。

【トランスフォーマー】バンブルビーとヨルダンのペトラ遺跡に行ってきた - 本しゃぶり【トランスフォーマー】バンブルビーとヨルダンのペトラ遺跡に行ってきた - 本しゃぶり

ヨルダン行ってきたきっかけオプティマスがやられたので。復活にはマトリクスが必要だ“暁がダガーの剣先を照らす時 3人の王が扉を示す”東の方向 ヨルダンのペトラの山...

4月、今年の休暇が6月に決まった時に俺は考えた。

「そういえば3部のアニメ始まったな……」
「放映に合わせた国に行ったら『リアルタイム聖地巡礼』できるんじゃあないか」

そしてコミックスを読み返し、計算する。当時は全何話で放映されるか発表されていなかったので、おおよその見当をつける。その結果がインドだ。インド編は総集編だと「皇帝と吊られた男」で6話、「女帝」で4話と計10話分ある。さらに「運命の車輪」も合わせれば14話分と結構長い*1。これは当たると踏んだ。

覚悟を決める

インドはいつか行こうとは思っていたが、まだ俺には早いと考えていた。3部の中でも最もインパクトのあった国、それがインドだ。

f:id:honeshabri:20140629200209p:plain

俺もこんなイメージ / ジョジョの奇妙な冒険 第3部 カラー版 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)より

難易度高そうだし止めようか、そう思った時にあるセリフが浮かんできた。

「失敗というのは…………いいかよく聞けッ! 真の失敗とはッ! 開拓の心を忘れ! 困難に挑戦する事に無縁のところにいる者たちの事をいうのだッ!」

……

f:id:honeshabri:20140629201109p:plain

ジョジョの奇妙な冒険 第3部 カラー版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)より

ルート

さて、本当のところならばインドへは海路で行きたいところであるが、俺には時間が無いので当然ながら飛行機で行く。問題はインド内での移動だ。ジョジョではまず「皇帝と吊られた男」でカルカッタ。次の「女帝」がバスで移動して聖地ベナレス。「運命の車輪」はデリーを経由してパキスタンへ向かう途中の話となっている。

f:id:honeshabri:20140629202741p:plain

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 第13話より

一方俺のルートはこれ。

ニューデリーから出発して寝台列車でベナレスへ、そして再び寝台列車でカルカッタへと向かう。1440kmの移動だ。こうした理由はカルカッタ行きの飛行機が深夜着しか無かったためである。旅慣れている人間ならともかく、俺は深夜にインドに着いてホテルを探す自信が無かった。その点ニューデリー開始ならば夕方に到着できる。

こうして俺はインドを西から東へと旅することになった。

ニューデリー

f:id:honeshabri:20140609112043j:plain

まずはここから俺の旅は始まった。しかしジョジョ的には特に言うことはない。

ベナレス

ガンガー

f:id:honeshabri:20140629212353p:plain

ジョジョの奇妙な冒険 第3部 カラー版 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)より

ついに聖地に来た。かの有名なガンガーである。せっかくなので俺も写真を撮る。

f:id:honeshabri:20140610122655j:plain

すごくショボイ。なんというか全く凄みってやつを感じない。というか建物一つ無い不毛な風景が広がっている。これは俺のテクニックがどうとかいう話ではない。この時、酷暑で朦朧としていたが俺は気がついた。この場面は『逆から』のものだったのかと。

ガンガーの西側には「ガート」と呼ばれる階段と建物が連なっている。

f:id:honeshabri:20140610124809j:plain

一方ガンガーの東側は「不浄の地」とされ、浅瀬がただ広がっているだけ。これはグーグル・アースで見るとよく分かる。

俺は当然ながら宿や店がある西側から撮影した。そのため写真は必然的に東を写すことになり、殺風景なものとなった。一方ジョジョのそれはガンガーの向こうにガートが見える。よってこれは東側から見た風景と言えるわけだ。この風景を見るためにはRs50~150ほど支払ってボートに乗る必要がある。

せっかくなので乗ろうかと考えたが止めた。理由は2つ。1つ目は描かれているガートがどれか分からなかったから。2つ目は暑いから。これは冗談抜きの話だ。気温が45℃前後という状況である。立っているだけで刻々と体力を消耗していく。とてもじゃあないが、日陰のない所に行きたくない。ガンガーを見れただけで十分だ。

クミコさんのホテル

f:id:honeshabri:20140706211023p:plain

ジョジョの奇妙な冒険 第3部 カラー版 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)より

ガトーを歩いていたらインド人に日本語で声をかけられた。
「コンニチハ。この辺の案内するネ。ガイドじゃないヨ。日本語の勉強したいだけ。だからフリーだヨ。」
この手のは最終的に自分の店へ連れて行き、ぼったくるのが基本だ。でもついていかなければいいだろと適当に相手をする。インド人はガトーに並ぶ建物を順に紹介していった。そして例のセリフを言う。
「コレ、日本人の女の人が経営している宿ネ」
インド人は日本人を見るといつでも同じことを言うのだろうか。そう思いながら見上げるとあった。

f:id:honeshabri:20140610122910j:plain

インド人よくやった。これがポルナレフの視線を誘導したホテルか。あんまりホテルって感じしないけど……ん?

f:id:honeshabri:20140706213240p:plain

よく見たらめっちゃ『久美子』って書いてある。クミコさん自己主張強いな。

火葬場

f:id:honeshabri:20140706213736p:plain

ジョジョの奇妙な冒険 第3部 カラー版 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)より

そのままインド人に連れられて火葬場へ。火葬は基本的に朝や夕方など涼しい時間帯に行われるらしいが、俺が行った時も3,4グループが行っていた。俺が見た範囲では、遺体は大きな布にくるまれているので人が燃えているようには見えない。もしかしたら燃えていく内に見えるのかもしれないが。

火葬場については残念ながら写真はない。当たり前といえば当たり前だが、火葬場は写真撮影禁止である。まあ誰だって家族の葬儀を興味本位で撮られるのは嫌に決まっている。なので代わりに近くにいた牛の水浴びでも貼っておく。神聖な存在なのでご利益があるかもしれない。

f:id:honeshabri:20140610125209j:plain

ガンガーでの火葬はその後遺灰を河に流す。また、子どもや蛇に噛まれた者など、特定の条件で死んだ者は火葬にせず、そのまま河に沈めるらしい。よく旅行記などでガンガーで人生観が変わったと書かれるのは、この死が身近にある火葬場関係の話が多い。

しかし、実際のところそんなことは無かった。全ては暑さのせいである。炎天の下をはるばる歩いてきた先にキャンプファイヤー並の炎があちらこちらで上がっているのだ。マジに熱い。それしか感想が出てこない。衣食足りて礼節を知る。人生観を変えるにはそれなりに快適な環境が必要だとよくわかった。

カルカッタ

この宇宙で最悪なところ

f:id:honeshabri:20140706220441p:plain

ジョジョの奇妙な冒険 第3部 カラー版 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)より
ついにカルカッタ(コルカタ)に到着である。三部においてトップクラスで印象に残るこのシーン。

f:id:honeshabri:20140706220008p:plain

バクシーシのインパクト / ジョジョの奇妙な冒険 第3部 カラー版 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)より

駅前に着いた時に思った。「ここだったのか」と。

f:id:honeshabri:20140706220911p:plain

上の写真は駅から出たところなのだが、左上に橋が写っているのがわかるだろうか。これがフーグリー河にかかるハウラー橋である。この橋を渡ると街の中心部に行ける。ジョジョ達の状況や角度的にも上記シーンに描かれているのはハウラー橋で間違いないだろう。橋の写真はこれがわかりやすい。
Panoramio - Photo of HOWRAH BRIDGE

さて肝心のバクシーシ・ラッシュだが、そんなものはなかった。もちろん駅内や道端など、何度かバクシーシと言われたことはあったが、ジョジョのようにとり囲まれることはなかった。単純に大げさに描いただけなのか、それとも時代が変わったためなのか分からないが、ホッとした反面なにか残念にも思えた。

チャーイ

f:id:honeshabri:20140706222051p:plain

ジョジョの奇妙な冒険 第3部 カラー版 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)より

インドの飲み物チャーイ。これは本当によく飲まれている。食事処ではもちろん飲まれているし、寝台列車の中やガンガーのほとりでも「チャーイ!チャーイ!」とチャーイ売りがやってくる。当然俺も何度も飲んだ。

f:id:honeshabri:20140611060737j:plain

ある日の朝食のサモサとチャーイ。ジョジョではちゃんとしたティーカップに入っていたが、俺が飲んだ所ではどこも紙コップやプラスチックの使い捨てであった。まあ基本的に屋台に毛が生えたようなところばかりだったので仕方ない。

また、ジョジョではRs1で2杯ぐらい飲めると書いてあるが、俺の場合はRs5〜10であった。これはぼったくられているわけではなく、為替の問題である。俺が行った時はだいたいRs1=¥1.7だった。つまり日本人にとっては今も昔もあまり変わらない。

三部放映中 聖地巡礼

2014/6/14(土) カルカッタにて

ついにこの時が来た。

ジョジョの放映日である。

放映されるのは第11話「皇帝(エンペラー)と吊られた男(ハングドマン)その2」だ。

f:id:honeshabri:20140706225142p:plain

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 第11話より

カルカッタにいる時にカルカッタ回。完璧なタイミング。

満足した。

f:id:honeshabri:20140629192747p:plain

正にこんな気分 / ジョジョの奇妙な冒険 第3部 カラー版 4 (ジャンプコミックスDIGITAL) より