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週刊・上杉隆
【第47回】 2008年10月2日
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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

麻生首相に解散の気配なし
解散日程を勝手に捏造したマスコミの困惑

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 現在、日本での解散権の行使は、内閣総理大臣をおいて他にできないことになっている。憲法(第三条第七項)によればそうある。

 にもかかわらず、首相が誕生する前から、あたかも新しい首相は、就任直後に「解散しなければならない」というような「流れ」ができてしまっていた。

麻生首相は一度も
解散日を明言していない

 9月24日、麻生首相が誕生した。

 だが、解散を打つ気配はない。それもそのはず、麻生首相はただの一度も解散日について言及したことはない。繰り返すが、ただの一度もだ。

 困り果てた新聞・テレビの政治部は、「解散」の流れを止めないために、再び「先送り」論を展開する。

〈11月2日投開票 衆院選 首相意向〉(読売新聞/9月25日)

 まったくもって麻生首相が気の毒に思えてくる。決めてもいない解散日程を勝手に作られた挙句、今度は勝手に「先送り」されるのであるから。

 なんのことはない、マスコミは自分たちで捏造した「解散日」を勝手に動かして、麻生首相の解散への意欲がぶれている、と言っているだけなのだ。

 思い出すことがある。昨年暮れ、福田前首相が中国に外遊した時のことだ。内政懇(外遊した首相が国政について同行記者団と懇談すること)で、内閣改造を問われた福田前首相は、「年明けに改造をするかどうするか考える」と答えた。

 翌日、新聞各紙には「年明け内閣改造へ」という文字が躍る。福田首相はぶら下がり会見で否定する。だがもはや「流れ」は止まらない。

 結果、新年になっても内閣改造をしなかった福田首相に対して、新聞・テレビは次のように書いたのだ。

 「首相、内閣改造、断念へ」

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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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