1910年、実質的な日本の植民地となった朝鮮。
朝鮮人達は日本の支配、搾取の中で次々と日本に渡ってきた。そんな在日一世たちは、日本で強制徴兵、徴用(もちろん、それだけではないが)などの困難を強いられ、一日一日をやっと生き抜いてきた。
1945年8月、第二次世界大戦の終戦により日本の植民地支配から自由になった朝鮮半島では自らの力で国を建て直そうとする勢いが上がっていた。
しかしそんな中、いまだ朝鮮半島に残っていたアメリカにより、北と南に国を分断され、それは日本に住む在日朝鮮人にも、少なからず影響が出たのである。
その中で在日一世たちは、日本でも民族の根っこを絶やさないため、全国的に朝鮮の言葉や歴史を習う学校でもある「国語講習所」を自分たちの力で作り、また日本の弾圧から命懸けで学校を守り抜いてきた。
そんな国語講習所は、今の「朝鮮学校」にまで発達し、その在日一世の魂を受け継ごうとする、三世、四世たちが民族性を育んでいる。
そんな朝鮮学校が差別を受けているこの情勢のなか、半世紀の間民族を守るために戦ってきた在日一世の魂を受け継ぐため、三世、四世の青年たちが、カメラを撮った。
植民地、祖国分断、差別という高い壁を乗り越えてきた在日朝鮮人1世達はそれをどう乗り越え、どう闘い、何を伝えようとしているのか?
今、その真相にせまる!
——— 계주봉【ケジュボン:継走棒】
ケジュボンとは、リレー競争でおなじみのあれです。
そう。「バトン【baton】」です。
新体操のくるくるまわすバトンじゃなくて、走者が次の走者に渡すやつ。
1、2世が築き上げたものを我々3、4世が次の世代ー5、6世へと紡ぐべく。
また、1世たちの生き様をより多くの方々に伝えていきたい。
そんな想いからこのタイトルをつけました。