児童劇団のなかには、中学に進学するタイミングで退団し、普通の中学生になる道を選ぶ同期生もいました。このころの私は特にお芝居が好きというわけでもなく、ほかの同期生のように中学進学をきっかけに退団する選択肢もありました。
でも、私はお芝居を続ける選択をしたんです。理由はたったひとつ。テレビドラマやCM出演を果たしたときだけ、私を虐待していた母親が褒めてくれるからです。事情を知らない方には理解してもらえないかもしれませんが、いくら暴力を振るわれていても、子供にとって母親は特別な存在なんですよ。
母親から認められたい一心で、中学進学後も芸能活動を続けることを決断したのですが、このころから生活はすさんでいきました。母親は私の実の父親と離婚した1年後に再婚したのですが、再婚相手の夫がいるにもかかわらず、平気で不倫してしまうような人だったんです。
しかも、不倫相手とラブホテルで密会する際には、私に「これからラブホテルに行ってくるから弟と妹の面倒を見ておいて」と言ってくるんですよ。その不倫相手からは経済的な援助も受けていたらしく、母親は私たち3人の子供に「この人は、あなたたちの“足長おじさん”よ」って、紹介したこともありました。
とにかく、こんな家庭環境でしたから、家には居場所がないんです。じゃあ、中学はどうか?っていえば、お芝居の方が忙しくなり始めたころだったので、どうしても欠席しがち。たまに学校に行くと、ドラマやCMに出演する機会が多くなっていたため、悪い意味で目立っちゃうんです。
中学生は大人と同じくらい残酷ですから、目立つ生徒は標的にされちゃいます。めったに学校に来ない私は絶好のターゲットで、学校に行く日はイジメられることが多かったんです。そのため、学校に行けるスケジュールの日でも、母親の声音を使って「今日は風邪なので、休ませてもらいます」としょっちゅう電話して、欠席していましたね。
レッスンや撮影のない日には、家でサボる…。当然のように、そんな日々が続いていました。学校をサボる→たまに学校に行くと、ますます居場所がない→またまたサボる→ほとんど学校に通わなくなる→実質的な不登校になってしまう――。
中学1年生のころからすさみ始めた生活は、自分でも想像していなかったほど長い間続くことになります。ただし、すさんだ生活とはいっても、徒党を組んで周囲に迷惑をかけるものではなかったんです。第一、徒党を組もうにも、劇団にも学校にも心を通わせ合える友達はいませんでしたから。このころの私はただただひとりぼっちで、すさんだ日々を送っていました。
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