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大会の最初から徹底マークを受けながらも、ゴールを決め続けているメッシ。ネイマールが腰椎骨折で大会を去った今、世界の最大の注目は彼の小さな体に注がれているといっても過言ではないだろう。
photograph by Getty Images
ブラジルW杯通信

“メッシシステム”影の立役者が負傷。
アルゼンチン、不安を抱えた4強進出。

矢内由美子 = 文

text by Yumiko Yanai

photograph by Getty Images

 試合終了の笛が鳴ると、アルゼンチンの選手たちはその場でピッチにひざまずき、天に向かって手を掲げ、神に感謝した。

 7月5日、ブラジルW杯準々決勝。ブラジリアのエスタジオ・ナシオナルには太陽の光と熱狂的な声援が降り注いでいた。

 20代前半の選手をズラリとそろえる若きタレント軍団・ベルギーとの90分間の熱闘の末、勝利の女神の微笑みを受けたのは、出場3大会目にして最高の存在感を見せつけているメッシを擁するアルゼンチン。準優勝した1990年イタリア大会以来、24年ぶりのベスト4進出だ。

 アルゼンチンにゴールが生まれたのは早い時間帯だった。

 過去2大会と打って変わってゴールラッシュが続いていた今大会だが、決勝トーナメント1回戦では様相が一転して固い試合の連続となった。8試合中6試合が前半を0-0で折り返し、5試合が延長戦。PKまでもつれた試合も2試合あった。

 ところが準々決勝ではこれまた一転し、今度は4試合中3試合で前半20分までにゴールが決まっている。ここまで来たらどのチームも狙うのは優勝。延長戦による体力の消耗を極力避けたいと気持ちが働くのか、立ち上がりから積極的にゴールを狙っているのだ。アルゼンチンも例外ではなかった。

幸運も味方にして、イグアインが大会初ゴール。

 前半8分、リオネル・メッシからアンヘル・ディマリアにボールが渡ると、ディマリアのパスがベルギーDFに当たってコースが変わる。これがペナルティーエリア内のゴンサロ・イグアインの前に転がる幸運。イグアインが右足をダイレクトで振り抜くと、シュートはゴール左隅にきれいに収まった。

 今大会初得点がベスト4への決勝点となったイグアインは「ゴールはそのうち決まると思ってたし、自分は最初から心配していなかった。大事な試合で決めることができて良かった。家族とアルゼンチン国民と喜びを分かち合いたい」と笑顔を見せた。

【次ページ】 守備は堅調、しかしディマリア負傷は大打撃。

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