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【静岡】

「弁天島花火大会」 住民有志が引き継ぐ

◆6日午後8時から心意気の44発

「今年も、あの鳥居の上に花火を打ち上げたい」と話す広畑さん=浜松市西区舞阪町弁天島で

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 昨年七月に五十年の歴史に幕を下ろした浜松市西区舞阪町の「弁天島海開き花火大会」を住民有志が形を変えて引き継ぎ、六日に開かれる地元の納涼祭で四十四発を打ち上げることになった。打ち上げにかかる時間は約五分間で、昨年までとは比べものにならない規模だが、実行委員長の広畑秀明さん(34)は「一度でも途切れてしまったら伝統が終わってしまう。来年以降もっと規模を大きくしていきたい」と将来を見据える。

 弁天島海開き花火大会は毎年七月初旬に開かれてきた。浜名湖の夏を彩る風物詩として親しまれ、二千六百発が打ち上げられた昨年は約二十万人が見物に訪れた。しかし、不況によるスポンサー減少や警備費の増大などから、舞阪町観光協会を中心とした実行委による運営が困難となり、昨年の大会で終了した。

 観光の目玉である花火大会の終了に加え、町を支える漁業はアサリやシラスの不漁にあえいでいた。花火大会の復活を軸にした新しいイベントで地域活性化を図ろうと、町内で食品販売会社を営む広畑さんら六人が「まいさかフェス実行委員会」を設立した。「負の連鎖を若い力で打ち切りたかった」。副実行委員長で燃料販売店店主の佐々木雄一さん(47)は当時の思いを振り返る。

昨年の弁天島海開き花火大会=2013年7月6日、浜松市西区舞阪町弁天島で

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 当初はイベントを一から企画、運営する考えだったが、地元の納涼祭「舞ちゃん夏まつり」と協力することが決定。祭りの最後に打ち上げる花火の準備に専念することになった。課題は資金集めと警備問題。趣旨を理解してくれるスポンサーが見つからず、資金集めは難航したが、地元企業や個人から約二百四十万円を集めることに成功。来場者が増えて事故が起きないよう広報活動を制限することにしたうえ、資金の三分の二を警備費に充てることで何とか開催にこぎ着けた。

 花火を打ち上げる三遠煙火(湖西市)の小口友義社長(64)は「大会打ち切りは非常に寂しかったので、弁天の火を消すなと若い力が動いてくれるのはうれしい。やることに意義がある」と期待。広畑さんは「花火は舞阪のシンボル。今回は観光目的ではなく、地元のためのイベントとして開催し、町の将来につなげたい」と意気込む。

 花火打ち上げは午後八時から。会場に駐車場はない。実行委は当日、警備を手伝ってくれるボランティアを募集している。問い合わせは、五日までに広畑さん=電053(523)6567=へ。

(長江優子)

 

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