知っておきたい産業遺産!足尾銅山観光にトロッコでいざ入坑!
記事作成日:2014/07/05 19:12:22 │ 最終更新日:2014/07/06 14:39:43
400年もの間、日本の銅産業を支え続けた栃木県日光市の足尾銅山。昭和48年に閉山しましたが、今なお当時の繁栄や掘削の様子が見られる「足尾銅山観光」があるのです。トロッコに乗っていざ入坑!日本近代化の歴史に思いを馳せると共に、繁栄に伴う環境問題を考える足尾への旅をご紹介します。
トロッコに乗って銅山を体験!
江戸時代から昭和の時代まで、日本の近代産業の先駆けとなった足尾銅山。多くの労働者が働き、江戸中期には足尾千軒と呼ばれるほど街も繁栄し、明治時代には、日本の銅の約40%を産出する「日本一の銅山」となりました。しかし、時代の流れと共に昭和48年に閉山。閉山後は、足尾銅山の歴史と仕組みを体験できる観光施設として、見学できるようになっています。
日本最大の坑内観光ができる「足尾銅山観光」は、トロッコに乗って出発です。1200m以上続く坑道の中で見学できるのは700mほど。カラフルなトロッコは、通洞抗を入り駅に到着。さあ、ここからはトロッコを降りて徒歩で見学です。
リアルな等身大人形の迫力!
徒歩で見学する坑道内には、江戸時代→明治・大正時代→昭和時代と年代ごとにリアルな等身大の人形によって作業の様子が再現されています。
写真は、江戸時代の運搬風景。当時はすべて手作業で、掘削や運搬をしていた様子がわかります。照明の当て方にちょっと怖いものを感じますが、それだけ当時の作業が暗がりの中で行われ、厳しい環境だったと想像できます。各時代の表情豊かな人形が、動いたり話したりするので、さらにリアル!ボタンを押すと動くのですが、他の方が押したボタンに気づかず、突然動く人形に「おおっ」と驚くこともしばしばです。
見学ルートに神社も
700mの坑道見学ルートには、神社が設けられており、掘削作業の無事を祈ったものだとわかります。
時代ごとに近代化が進み、機械化や合理化で、より多くの銅が産出されました。見学ルートの石の壁にも、銅が変化して緑青となり色鮮やかな姿が見えるところがありますので、見つけて触ってみてくださいね。
坑道に続く資料館にはシアターがあり、「源さんの足尾銅山採掘紀行」という約8分間の映像を見ることができます。今見学してきた坑道で行われていた採掘作業が、より楽しく詳しく解説されているので、お子さんでも理解が深まることでしょう。
足字銭造りを見てみよう!
坑道を出ると、江戸時代に足尾で鋳造された寛永通宝を造る行程が、模型で再現されている資料館「鋳銭座」があります。全国各地で造られていた寛永通宝ですが、足尾で造られたものは、写真のオブジェのように「足」の字が書かれていたことから「足字銭」と呼ばれました。
寛永通宝は一文銭。館内には、本物の一文銭が一両分(4000枚=12s)バーベル状になっていて、その重さを体験できるコーナーもありますので、是非持ち上げて「えいや〜」と力試ししてみてくださいね。
坑道内や資料館などは、段差のないバリアフリーになっていますので、ベビーカーや車いすの方も安全に見学することができますよ。
【足尾銅山観光】
栃木県日光市足尾町通洞 9-2
TEL:0288-93-3240
開館時間 9:00〜16:30 無休
入坑料 大人820円 小・中学生410円
銅山によって破壊された自然を再生
足尾銅山観光では、主に繁栄の歴史を知ることができます。しかし、忘れてはいけないのが銅山によって破壊された自然環境のこと。銅山の発展と共に、精錬所の亜硫酸ガスの煙害で豊かな緑が失われました。近年、足尾の自然を取り戻す動きが盛んになっています。
松木地区にある「足尾環境学習センター」では、足尾の自然と環境について学べる施設ですので、合わせて見学されることをオススメします。
煙害で緑が失われた足尾の山には、国・県・NPO法人などが植林を進めています。毎年、春・夏・秋には植林に参加できるイベントがありますので、NPO法人 足尾に緑を育てる会のHPをご確認ください。
足尾へのアクセス方法は、自家用車の他、栃木県側からは日光駅からバス、群馬県側からは、わたらせ渓谷鉄道を利用すると便利です。
【足尾環境学習センター】
栃木県日光市足尾町885−2
TEL・FAX 0288-93-2525
開館期間 4月1日〜11月30日
開館時間 9:30〜16:30
入場料 大人200円 高校生以下100円 未就学児無料
天皇皇后両陛下も訪れた足尾
2014年5月には、天皇皇后両陛下が私的なご旅行で足尾環境学習センターを訪問され、煙害の実態や近年の植林状況を視察されました。
足尾銅山は、鉱毒事件も大きな被害として歴史に残っています。鉱毒の状況を明治天皇に直訴しようとした田中正造の直訴状が、「佐野市郷土博物館」に保管してあり、そちらにも両陛下が訪問されました。
知っておきたい日本の産業遺産「足尾銅山」。見学することで、日本近代化の流れ、その発展に伴う公害について、今一度考えてみる機会を持ってはいかがでしょうか。
大人なら、歴史上の事件を振り返るきっかけに、お子さんならスリルある坑道見学と共に歴史について考えるチャンスが得られるはずです。
世界遺産の日光のもう一つの顔「足尾」。街全体が日本の近代化産業発展を物語る博物館のようになっています。是非訪れて、四季折々の魅力にも触れてくださいね。
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