ナチス戦犯追跡団体「韓国も慰安婦加害者を探せ」

 同センターは米国ロサンゼルスに本部があり、法廷で有罪を確定できるほど信ぴょう性のある情報提供者には、最大で2万5000ユーロ(約350万円)の懸賞金を支払っている。運営は寄付金で賄われているが、寄付金の額は昨年だけで2200万ドル(約22億円)に達した。寄付金は「最後まで戦犯を追跡してほしい」と願う世界中のユダヤ人から送られたものだ。この寄付金によってセンターは毎年ナチスの主要戦犯リストを公表し、新たに懸賞金を準備している。そのためホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を否定する欧州の右翼団体などからは、殺害予告などさまざまな脅迫を受けているという。

 戦後、ナチスの戦犯たちは自らの正体を隠し、米国、英国、オーストラリアなどに移住してひそかに生活してきた。センターはこれらのナチス戦犯らに市民権を与えた世界各国に対しても、その失政を執拗(しつよう)に追及している。ジュロフ氏は「現在、彼ら戦犯たちはすでに老い、病気になっているとして責任追及をやめようという声もあるが、これはとんでもないことだ。事件は過去のものだが、罪まで消え去ったわけではない」と語る。センターの働き掛けで後に各国政府は謝罪し、今は戦犯の追跡が世界で幅広く行われるようになっている。

 ジュロフ氏は「韓国政府は日本の良心勢力を積極的に取り込み、彼らと連帯しなければならない」とした上で「彼ら(良心勢力)に慰安婦関連の資料を探してもらい、これを公表できるよう積極的にロビー活動を展開すべきだ。残された時間は長くない」と語る。

 ジュロフ氏は「事件から時間が過ぎたからといって戦犯たちが死ぬのを待つのではなく、彼らに正義の審判を受けさせることこそが、歴史を正すことにつながる」「そのことは決して不可能ではないという事実を示すことが、私の仕事だ」とも述べた。

 ジュロフ氏は自らのことを「ナチスの狩猟者」と呼ぶ。ジュロフ氏は「70年が過ぎた今もなおナチス戦犯たちを追跡する理由は『被害者だったわれわれは常に見ている』というメッセージを彼らに伝えるためだ。このメッセージは戦犯たちに対してだけではなく、歴史を否定する勢力にも同時に送る一種の警告だ」と指摘した。

エルサレム=朴国熙(パク・ククヒ)特派員
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ナチス戦犯追跡団体「韓国も慰安婦加害者を探せ」

right

関連ニュース