呉副総統 「台湾に国防力は不可欠」
        【政治】 2014/07/03 14:35
        
            
2日、総統府で日米の学者らと面会する呉敦義副総統(左)
(台北  3日  中央社)呉敦義副総統は2日、両岸(台湾と中国大陸)関係が改善しても、台湾の安全を中国大陸の永久不変の善意に全て託すことはあり得ないとし、大陸と規模を競う必要はないものの小さくて強力な国防力を有することで国民の安全を確保しなければならないとの認識を示した。さらに、台湾が真に必要とする防御的性格の武器を合理的な価格で提供するよう米国に希望すると述べた。
呉副総統はこの日午前、「2014年台米日三者安全保障対話シンポジウム」に参加した学者らと総統府で面会。中華民国と米国、日本はいずれも自由・人権・民主・法治を最高の価値としており、中国大陸と台湾を隔てる台湾海峡が平和の海峡か火薬庫なのかが世界の注目を集めていると述べた。
副総統はまた、中国大陸が安定・繁栄し理性的であることは、台湾海峡両岸やアジア・太平洋地域の平和にとって価値あることで意義深いとした上で、韓国、日本、沖縄、台湾、フィリピンという西太平洋の第一列島線の中で、もし台湾が欠ければ、中国大陸の海軍拡張で太平洋の平和と安全が大きく損なわれかねないとした。
経済面について副総統は、中国大陸と香港は2000年には台湾輸出総額のうち約23%を占めていたが2008年には39.7%まで成長、その後6年間も39~40%程度を維持しており、政権交代によって経済政策が大きく変わることはないと指摘。ただし、台湾の貿易が中国大陸に極度に傾くようであれば、国民の自信や台湾海峡両側のバランスにマイナスの影響が出かねないと付け加えた。
(劉麗栄/編集:谷口一康)
 
          
        
        
        
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