今日は久しぶりの快晴で、とても気持ちの良い秋を感じました
今回は、未成年者の契約について書いていこうと思います。
第4回
未成年者(20歳未満の者。)は、社会的経験も浅く、利害を判断する能力もまだ十分とは言えません。
(ただし、結婚により成年者と同一とみなされます。成年擬制。)
そこで、民法では、未成年者を取引による被害から保護するために、
『未成年者が法定代理人(通常は親権者である父母)の同意を得ないでした契約を取り消すことができる』
としています。
未成年者契約の取消
取消しは、法定代理人はもちろん、未成年者本人でも単独ですることができます。
取り消された契約は、『初めから無かった』ことになり、未成年者は事業者に商品を返して、事業者から、支払った代金を返してもらうことになります。
未成年者の取消しは、他の取消しの場合と異なり、既に使用した消耗品も、今残っている状態で返せばよいとされています。
未成年者の取消しは、クーリング・オフ期間が経過している場合や不実告知や詐欺といえるかどうかが明らかでない場合などに、未成年者保護の有効な手段となります。
ただし、未成年者取消権は、未成年者が成年に達した後に代金を支払ったり、その他一定の行為をしたりすると、追認したものとして取消しできなくなります。
また、成年に達した後5年間の経過で時効消滅します。
取消しのできない場合
次に掲げる契約は、未成年者であっても取り消すことができません。
①法定代理人からあらかじめ同意を受けている取引
②あらかじめ小遣いとして渡されている金額の範囲でした契約
分割払いの場合、小遣いの範囲内の契約かどうかは、月々の支払額ではなく、代金総額で考えることとされています。月々の支払いが遅れれば、残代金一括支払い義務が発生することが考えられるからです。
③「自分は成年に達している」とか、「親が同意をしている」などと積極的に取引相手を騙して契約
積極的にウソをついてまで契約しようとする未成年者まで保護する必要は無いからです。
インターネット取引における成人詐称
成人であるとウソをついてした契約は未成年者取消しの対象とならないとはいっても、インターネット取引では容易に年齢を詐称することができる場合があります。
そこで、インターネット取引では、詐称が容易な確認画面しか用意されていない場合、例えば、単に「成年ですか?」との問いに、「はい」とクリックしただけでは、なお未成年者取消しは可能と考えられます。
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