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 8月9日の長崎原爆の日にある平和祈念式典で、田上富久・長崎市長が読み上げる平和宣言の内容を検討する起草委員会の今年最後の会合が5日、市内であった。市が示した修正案には、前回会合での原案に続き、集団的自衛権の行使容認を懸念する文言が盛り込まれなかった。委員からは、言及し、懸念を示すべきだとの意見が相次いだ。

 修正案は、憲法に示された不戦の誓いが忘れられ、平和国家のあり方が根底から変わるという不安が広がっていると指摘、こうした声に耳を傾けるよう政府に強く求めた。ただ、集団的自衛権については直接言及しなかった。

 この点について委員からは、「戦争ができる国に変わろうとしていることへの警鐘が必要」「今年の平和宣言で集団的自衛権の問題に言及がないと、逃げていると取られかねない」といった声が上がった。