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関内関外日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2014ねん07がつ05にち

ブローティガン『東京日記』を読む

ぼくはまたひとりぼっち ぼくは前にもここにいた

日本でも、アメリカでも、すべての場所

人が何について話しているのか

  理解できないときはいつも

「話すこと」(部分)

 リチャード・ブローティガン東京滞在時に書き残した詩集であり、日記でもある。ブローティガンは日本におおきな期待をしていたのだろうか。なんらかの期待はあったのだろうと思う。ブローティガンは日本でその期待に応えるだけの体験をしたのだろうか。おれにはよくわからない。この詩集から感じるのは異邦人孤独ロスト・イン・トランスレーション。いや、トランスレーション以前のディスコミュニケーション。それが通底している。

 悲しい方に振りすぎているかもしれない。彼は日本でカレーを注文できたし、パチンコサムライだってなれた。色恋のようなものもあったようだ。あったようだけれど、しかし。

 少し、藤本和子の本に書いてあったことに引きずられてるのかもしれないな。いや、でもここには、やはりなにかこの世に適切な居場所を見つけられない一人の孤独な男がいて……世界を見て、書き記している。その一瞬を。どの一瞬? この詩集に収められた一つ一つの詩。結局、心の一部を日本に残したとはいえ、終の棲家になるわけでもなかった。なにか失望のようなものがある。残念さがある。おれの中でそう感じるところがある。

 ……おれは少し悲しくなって、1976年東京のことを少し思う。

>゜))彡>゜))彡>゜))彡

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