COUNTER-ACTION

ヒロシマ・アクション賛同 ライブ&トーク

7月3日(木)、リフレッシュサロン「サプリ」にて、パギやんこと趙 博(Cho Bak)さんとハルマ・ゲンさんをお迎えして、「ヒロシマ・アクション賛同 ライブ&トーク」を開催します。ビールとおつまみ付きのチャージ2000円は、朝鮮学校支援にも役立てます。要予約で、定員50名です。ご参集のほど、宜しくお願いします。

■日時:7月3日(木)18時半開場、19時開演
■場所: リフレッシュサロンサプリ (広島市西区福島町)
■チャージ:2000円
■定員:50人
■ご予約:電話 080-3119-7074 (Softbank)
メール info@fanto.org
ウェブ http://fanto.org/schedule/index.php/view/653

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声明 学問の自由への侵害および歴史修正主義、ヘイトスピーチに反対する

近年、社会問題となっているヘイトスピーチは、学問の自由を侵害するかたちで教育現場にも浸透しつつある。特定の民族や国籍の人々を誹謗中傷し、暴力や憎悪の対象とするヘイトスピーチは、人権を侵害する明らかな差別行為そのものであり絶対に許されるべきものではない。

2014年5月21日の産経新聞は、広島大学の一学生からの投稿をもとに「講義で『日本の蛮行』訴える韓国映画上映」「広島大准教授の一方的『性奴隷』主張に学生から批判」という見出しの記事を掲載した。この記事を契機として、いま准教授がヘイトスピーチの標的とされる事態が起きている。

また、2014年1月には、立命館大学のある授業について、朝鮮学校無償化問題をめぐり、受講生と思われる人物が事実をねじ曲げたツィートをしたことによって、担当教員が猛烈なネット攻撃にさらされた。

これらの事例は、現在の日本社会に歴史修正主義が蔓延し、大学の教育現場にもヘイトスピーチの暴力が浸透していることを意味している。外部の報道機関が特定の授業を取り上げて担当教員を非難することは憂うべき事態であり、日本国憲法23条に規定されている学問の自由を侵害し、教育の独立性および教員と学生の信頼関係を著しく損なうことになる。

広島大学准教授の尊厳を貶める産経新聞の記事に関しては、すでに日本科学者会議広島支部幹事会、市民有志で結成された HIROSHIMA-ACTION 、広島大学教職員組合総合科学支部役員会等が抗議声明を出している。日本社会文学会はこうした声に連帯し、歴史修正主義およびヘイトスピーチに反対し、憲法に定められた学問の自由の保障を広く社会に訴えるものである。

2014年6月21日

日本社会文学会 春季大会

日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワークから広島大学学長と総合科学部長への公開書簡

広島大学学長 浅原 利正 様
総合科学部長 吉田 光演 様

前略

突然メールを差し上げます失礼のほど、ご容赦下さい。私たちは、「日本軍慰安婦」問題の実相を市民に知らしめると同時に、今もご存命の元「慰安婦」女性の人権を守ることを目的に活動している広島の草の根運動組織です。

ご承知のように、5月21日付け『産経新聞』は『講義で「日本の蛮行」訴える韓国映画上映 広島大准教授の一方的「性奴隷」主張に学生から批判』と題する記事を掲載しました。この記事では、「日本軍慰安婦」問題に関するドキュメンタリー映画「終わらない戦争」を教材として使った、総合科学研究科准教授に対する一受講生の意見を次のように紹介しています。『「いつから日本の大学は韓国の政治的主張の発信基地に成り下がってしまったのか」と広島大学で韓国籍の男性准教授の講義を受けた男子学生(19)は、ため息交じりに語った』のであり、『国立大学の授業として、慰安婦募集の強制性があたかも「真実」として伝えられたことに疑問を呈し』たと。さらに、「慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の官房長官、河野洋平の談話。強制性の根拠とされた韓国人元慰安婦16人の証言は、信憑性の調査も行われなかった」と記して、河野談話があたかも虚言であるかのような表現をしています。

「河野談話」に関する議論が私たちのこの書簡の目的ではありませんので、ごく簡単にのみ説明させていただきますが、河野談話は、単に元「慰安婦」女性の証言だけに基づいて作成されたものではありません。戦時中に連合軍側が作成した調査資料やオランダ軍が戦後の1948年に行った「バタビア裁判」(南方軍幹部候補生教習隊の士官たちが35名のオランダ人女性を「慰安所」に強制連行し強姦した犯罪審査)記録などを参考にして作成したものであり、極めて信憑性の高い内容の政府公式見解です。

「慰安婦」と呼ばれた韓国人を含む多くのアジア人ならびにオランダ人女性が、アジア太平洋戦争期間中に日本軍ならびに日本政府が犯した「人道に対する罪」の犠牲者であったという事実は、2000年12月に東京で開廷された「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」でも明確に証拠づけられている事実です。この法廷で判事を務めた4名と主席検事を含む40名 以上の検事団のほぼ全員が、国際的に第一級とみなされている法律専門家であり、裁判は当時の国際法に照らし且つ東京裁判憲章に基づき、しかも膨大な関連資 料が証拠資料として提出され、検証された上で、「日本軍慰安婦制度」に対する日本の「国家責任」と日本軍が犯した「慰安婦」に対する「人道に対する罪」が 厳密に審理されました。ドキュメンタリー映画「終わらない戦争」は、そのような歴史的事実を背景に制作されたものであり、人権問題、とりわけ戦争における「女性の人権侵害」問題を学生に教えるうえでは、極めて教育価値の高いものであることを、私たちはここで明確にしておきたいと思います。

しかし、どのような内容の教材であれ、学生各々の受けとめ方や意見、判断が異なってくるのは当然です。したがって、教材資料の内容をめぐって教員と学 生の間で、さらには学生同士の間で、自由で活発な議論が行われるのは当然です。たった一人の学生が教材の内容が気にくわないからという理由で、また、その 教員が「韓国籍」だからという理由で新聞が公的に糾弾することは、明らかに日本国憲法23条で保障されている「学問の自由」への由々しい侵犯行為です。同時に、新聞によるこのような大学教員への個人攻撃は、憲法第19条で保障されている「思想及び良心の自由」をも犯す犯罪行為です。

日本におけるこの「日本軍慰安婦」問題の取り扱い方については、2013年5月17日に、国連経済社会理事会社会権規約委員会が、「日本に関する第3回提起報告に関する最終所見」の中で次のように述べています。「当委員会は、長年にわたる『慰安婦』搾取の影 響に対して日本国家があらゆる必要な処置をとり、『慰安婦』が経済的、社会的、文化的権利を享受できるようなあらゆる保証処置をとるよう勧告する。当委員 会はまた、『慰安婦』に対するヘイト・スピーチや、彼女たちに汚名をきせるようなその他のやり方を防止するため、『慰安婦』搾取に関して国家が公衆を教育するよう勧告する。」(強調:引用者)

さらに同年5月31日には、国連拷問禁止委員会が「日本軍慰安婦」問題に関して日本政府に対する勧告を発表しています。これまで、 国連の複数の人権関連委員会による「慰安婦」問題に関するたびかさなる勧告にもかかわらず、日本政府はこれらを拒絶し続けていると、拷問禁止委員会は日本 政府を厳しく批判し、下記の5つの方法で「即時かつ効果的な立法的および行政的措置をとり、『慰安婦』の諸問題について被害者中心の解決策をとるよう強く求め」ています。

1) 性奴隷制の諸犯罪について法的責任を公に認め、加害者を訴追し、適切な刑をもって処罰すること。

2) 政府当局者や公的な人物による事実の否定、およびそのような繰り返される否定によって被害者に再び心的外傷を与える動きに反駁すること。

3) 関連する資料を公開し、事実を徹底的に調査すること。

4) 被害者の救済を受ける権利を確認し、それに基づき、賠償、満足、できる限り十分なリハビリテーションを行うための手段を含む十全で効果的な救済と補償を行うこと。

5) 本条約の下での締約国の責務に対するさらなる侵害がなされないよう予防する手段として、この問題について公衆を教育し、あらゆる歴史教科書にこれらの事件を含めること。(強調:引用者)

したがって、国連加盟国の日本の大学が、「日本軍慰安婦」問題で学生を教育することは、拷問禁止条約締約国の教育機関としての責務であり、これを怠ること自体が国際的な倫理的信頼性を自壊させることになります。

日本における「慰安婦」問題の取り扱い方は、このように国際的な注目を集めており、今回の広島大学でのこの問題の取りあげ方についても、おそらく海外 の多くの人権団体がすでに注目していることと思われます。平和教育方針を強く国内外で強調されてきた貴大学が、「学問の自由」、「思想及び良心の自由」、 ひいては「大学の自治」を守る確固たる信念を公に表明し、産経新聞の記事に対して強い抗議を表明しなければ、それは貴大学の国際的信頼性そのものを崩壊さ せることにつながるであろうと私たちは懸念します。

貴大学が、元「慰安婦」女性ならびに教員の人権を守るために、平和と正義への堅固な信念と勇気をもってこの問題の処置に当たられることを強く望んで止みません。

2014年6月2日

足立修一、高雄きくえ、田中利幸、土井桂子
日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワーク・共同代表

署名:平和公園の在特会利用の禁止を求めます。

https://www.change.org/ja/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%B3/%E5%BA%83%E5%B3%B6%E5%B8%82%E9%95%B7-%E6%9D%BE%E4%BA%95%E4%B8%80%E5%AF%A6%E6%AE%BF-%E5%B9%B3%E5%92%8C%E5%85%AC%E5%9C%92%E3%81%AE%E5%9C%A8%E7%89%B9%E4%BC%9A%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%81%AE%E7%A6%81%E6%AD%A2%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%99-3

 

広島市長 松井一實殿

毎年、8月6日に在特会広島支部が原爆 ドーム前で、「被爆者特権を許さない」という街頭宣伝を実施しています。在特会は去年10月7日に「朝鮮学校周辺でのヘイトスピーチ街宣を繰り返したこ と」について京都地裁から1200万円余りの賠償と街宣の禁止を命じられました(現在、在特会側が控訴中)。

このような反社会的な団体が平和記念式典の入り口であもある原爆ドーム前で、毎年、被爆者特権という言葉を使い、日本在住外国人のみならず、被爆し た人たちの尊厳を踏みにじっています。広島市は2016年に先進7カ国首脳会議、いわるるサミットを招致しようとしています。人権を踏みにじっているとい う理由で、多くの国で禁止されるヘイトスピーチを放置しておきながら、サミットを招致することは大きな矛盾ではないでしょうか。平和公園内の日韓友好の木 が引っこ抜かれるという、事件までおきている現状で、ヘイトスピーチを行う団体を見過ごしてよいのでしょうか。

広島市長に求めます。(1)被爆者特権という言葉を使う団体に、市の施設、特に平和公園を使わせないでください。(2)在特会だけでなく原爆記念式 典開催時間帯前後の6:00~9:00までは平和公園内では思想、宗教にかかわらず、広島市以外の団体の拡声器の使用を制限してください。朝早くから公園 の掃除を行い、式典後は後片付けを行っている多くの御年寄りたち、また式典を訪れる方々に静かな気持ちで8月6日を迎えられるように。

PDF資料:

在特会による2009年12月京都朝鮮学校襲撃事件に対する京都地裁判決文

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20131021142729.pdf

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83675&hanreiKbn=04

 

YouTube映像資料:

在特会主催『8.6広島原爆の日・原爆ドーム前 核武装推進街宣』へのカウンター – 2013年8月6日 (撮影・編集 秋山理央)

https://www.youtube.com/watch?v=oWv0VgjYVlY

https://www.youtube.com/watch?v=6dAcGjoHEXo

緊急上映 ドキュメンタリー映画『終わらない戦争』(金東元監督)

緊急上映 ドキュメンタリー映画『終わらない戦争』(金東元監督/2008年/60分/韓国語作品 日本語字幕版)

日時:6月16日(月)19時~20時
場所:生協けんこうプラザ5F会議室2(広電・西観音町電停の北側)
料金:500円
主催:しずく工房

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日本軍「慰安婦」問題解決全国行動声明

抗議声明

産経新聞らに抗議し、映画「終わらない戦争」を上映し続けます

日本軍による戦時性暴力という歴史的事実を否定し、「慰安婦」被害者たちを貶める発言や行動をためらわない人々がいます。それは「在日特権を許さない市民 の会」(在特会)らレイシストグループだけでなく、産経新聞をはじめとする右派メディア、さらには安倍首相と一体になった日本維新の会等の国会議員を含 み、一大勢力となっています。いま、河野談話を否定する動きのみならず、決して見過ごせない出来事が起こっています。
5月21日、産経新聞は、歴史戦第2部「慰安婦問題の原点」と題した特集記事で、広島大学での講義で映画「終わらない戦争」が上映されたことを紹介、一人 の学生の投書「いつから日本の大学は韓国の政治的主張の発信基地に成り下がってしまったのか」を口実に、上映した韓国籍准教授を批判しました。そして、こ の報道が出るや、大学と准教授に対して執拗な非難と嫌がらせ、脅迫まがいの抗議が続いているとの事です。
ドキュメンタリー映画「終わらない戦争」は、国連人権政策センターの企画を受けて韓国の金東元監督によって2008年に制作されたものです。金監督が制作を引き受けたのは、被害者の証言こそがなによりも真実を訴える力があると確信したからでした。
映画制作の目的は米議会での日本政府に対する「慰安婦」問題解決を求める決議を促すことでしたが、2007年7月、映画撮影中に下院議会が満場一致で決議し、その感動的な場面も映画に収められています。
私たちは、この映画の第二の目的は、日本の人々、とりわけ若者たちに見てもらうことではないかと考え、日本語字幕版を製作、日本での上映および教育現場での活用を進めてきました。
映画を提供したことで、高校生や大学生の感想文が送られてくることがあります。ある高校生は「知らなかった事実や現実を受け入れることは辛かったが、いま だにこの事実を受け入れようとしない日本にとても腹が立つ。」と書き、別の生徒は「日本人として恥ずかしく、情けなくて、なぜ日本政府は認めることができ ないんだろうと思いました。」と書いています。産経新聞の投書のように受け取る学生はもちろんいるでしょう。しかし、多くの学生は映像を観て、被害者の言 葉に耳を傾け、自分の頭で考えようとしています。被害者の証言を「うそ」と感じるか「事実」と感じるかは、見た人の心のうちにあるものです。元「慰安婦」 の証言をウソだと一方的に決めつけて、映画を見せてはいけない、都合の悪い歴史的事実を教えないというあり方が果たして教育といえるでしょうか。被害女性 たちは今も辛い痛みに向き合っており、日本の謝罪こそが被害者、そして日本にとっても真の解放と平和を意味することを映画は伝えようとしたのですが、この 学生が掴み取れなかったことは残念です。
日本軍「慰安婦」被害者が声をあげて23年、いまもなお解決の道筋は見えていません。この間、各国の被害者と支援団体、そして多くの日本人は、日本政府が 歴史的事実から目をそらすことなく、責任を認め、被害者に心からの謝罪と賠償を行うよう求めてきました。河野談話の裏付けとなった政府史料に加え、学者な どが史料を発掘して明らかになった新事実も数多くあります。しかし、日本政府は、歴史教科書からその記述を消し、さらには「慰安婦」募集の強制性を認めた 河野談話を否定することで、被害者などいなかった、「慰安婦」問題などなかったと思わせようと画策しています。一方、国際的には「慰安婦」問題は現在も続 く戦時性暴力の象徴的存在として広く認知され、解決を求める声が世界各国に広がっています。
産経新聞は安倍政権の主張に忠実なメディアとして一連の特集を組んでいますが、中には事実と異なる写真や記事が少なからず含まれます。「慰安婦」問題に対する悪意を持った攻撃を直ちにやめるよう求めます。
私たちは、このような攻撃をはねのけ、一日も早く「慰安婦」問題を解決するために、多くの人に映画「終わらない戦争」を届け、被害者の声、そして戦争の事実を伝え続けます。

2014年6月2日
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動/日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク
〒169-0051東京都新宿区西早稲田2-3-18AVACOビル2F
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam気付)
TEL:080-6185-9995

学問の自由を守り、外国人教員の権利を擁護するための声明

学問の自由を守り、外国人教員の権利を擁護するための声明

 
広島大学の教養教育における総合科目「演劇と映画」(オムニバス形式)で提供された4月28日分の講義に対し、受講していた学生の一人がその内容に対する 不満を産経新聞に投書し、それを受けて同紙が5月21日付朝刊の1面で取り上げました。記事の内容は、授業が従軍慰安婦問題について根拠のない極めて偏っ た内容であると決めつけ、「いつから日本の大学は韓国の政治的主張の発信基地に成り下がってしまったのか」とする学生の主張を無批判に取り上げたものでし た。

それを受けて、日本維新の会の中丸啓議員が、衆議院の内閣委員会において当該講義「演劇と映画」全体が極めて偏ったものだと決めつけた上で、国立大学にお ける講義に対してどのように対応しているのかを文部科学省に対し説明を求めました。一方、ネット上では該当授業の担当教員に対する不当な非難と中傷がエス カレートし、大学宛には多数の抗議が寄せられました。そして遂には、当該オムニバス講義のすべての回の開講をやめるよう迫られる事態にまで発展いたしまし た。

講義内容についての不満を外部のマスコミが取り上げそれをもとにネット上で誹謗中傷が繰り返されるということは、授業担当教員の人権を深く侵害する、決し てあってはならないことです。法的手段に訴えて防御せざるをえない深刻な事態とさえ考えます。同時に、これは日本の大学における学問の自由に対する重大な 侵害であり、学生と教職員の信頼関係の中で自由に意見を出し合える場を奪う極めて憂慮すべき事態でもあります。とりわけ外国籍教員の排斥を呼びかけるよう な理不尽で排外主義的攻撃をしていることは、「自由で平和な一つの大学」を建学の理念とし、世界に開かれた大学をめざす広島大学にとって、また学問の自由 を守り国際化することをめざす日本の大学にとって、重大な危機と言わざるを得ません。

私たちは、そうした事態を重く見て、ここに声明を発表し、学問の自由を守り、外国人教員に対する不当な攻撃に抵抗し、その権利を擁護することを強く決意します。そして、この声明への賛同を求め、多くの方々の連帯を広く呼びかける次第です。

 

2014年6月4日 広島大学教職員組合総合科学部支部役員会

連絡先 soukaunion_at_gmail.com (「_at_」を「@」に変えてお送りください。)

河出選書フェア「今、この国を考える〜「嫌」でもなく「呆」でもなく」

河出書房による選書フェア「今、この国を考える〜「嫌」でもなく「呆」でもなく」が開催されます。詳しくはこちら。http://www.kawade.co.jp/news/2014/05/post-89.htm

社会に溢れる歴史修正主義的言説やヘイトスピーチを撃つための重要なアクションだと思います。Hiroshima-Actionは全面的に賛同いたします。

広島大学教職員組合総合科学部支部臨時集会

広島大学教職員組合総科支部、および関係各位

 「学問の自由を守るための臨時集会の呼びかけ」

お忙しいところ恐れ入ります。既にお聞き及びかもしれませんが、教養教育科目の一つとして提供された講義について、それを受講していた学生が、その内容に対する不満を産経新聞に投稿し、それを受けて同紙が5月21日に新聞の1面で取り上げ、学生の主張を無批判に取り上げ、講義を不当に攻撃しました。その記事の趣旨は、授業が従軍慰安婦問題について、根拠のない極めて偏った内容であり、韓国の主張を一方的に表明したもので、討議の余地を与えないものだとするものです。
それを受けて、日本維新の会の中丸啓議員が、衆議院の内閣委員会で文部科学省に説明を求め、ネット上では、担当教員に対する不当な非難と中傷が行われ、大学宛に多数の抗議が寄せられています。遂には、「在日外人の特権を許さない市民の会」(在特会)が当該講義の開催を阻止するという脅迫までしてくる事態になっています。
授業内容についての不満を、外部のマスコミや政治団体が取り上げ誹謗中傷するという事態は、大学における学問の自由に対する重大な侵害であり、学生・教職員が安心して意見表明できる場を奪うものです。また、とりわけ韓国籍の教員に対して理不尽な攻撃をしていることは、自由で平和な一つの大学を建学の理念とし、世界に開かれた大学をめざす広島大学にとって、無視できない問題です。
今回、広島大学教職員組合は、そうした事態を重く見て、まず総科支部の緊急集会を開いて、学問の自由と外国人教員の権利を擁護するための行動を起こすことにいたしました。組合員以外でも皆様是非ふるってご参加下さい。

場所:総合科学部A704
日程:2014年5月28日(水)12.10~

広島大学教職員組合総合科学部支部
支部長 荒見 泰史
支部代表 フンク・カロリン

日本科学者会議広島支部幹事会声明

『産経新聞』報道を契機とする言論への圧力を許さず,学問の自由を守ろう

5月21日付『産経新聞』は,広島大学に勤務する韓国籍の准教授の授業で,従軍慰安婦の問題が取り上げられたことを批判する記事を第1面に掲載した。当該准教授は「演劇と映画」と題するオムニバス形式の授業の自分の担当回で,もと従軍慰安婦が証言を行っているシーンを含む「終わらない戦争」という映画(金 東元監督.2008年製.韓国語/
日本語字幕60分)を上映し,それに自身のコメントを附すかたちで授業をおこなった。もちろん,この授業は「韓国の政治的主張」と は何ら関係がない。映画の上映は「演劇と映画」を論じるこの授業の素材として妥当であり,それをどう判断するかは学生にまかせるべきである。仮に学生が異 論を唱えたとしても,それは学生と教員との間の相互理解にゆだねるのが正当な対処であって,外部の報道機関が介入するべきではない。

しかし,今回,聴講していた学生のひとりがこの授業内容を不快に思い,『産経新聞』に投書したことを契機に,『産経新聞』は,同じ授業を聴講していた他の 学生への取材や,当該准教授にたいする充分な取材をおこなうことなく,当該准教授へは電話での質問だけで,この記事をつくりあげた。当該記事では,「いつから日本の大学は韓国の政治的主張の発信基地に成り下がったのか」との投書をおこなった学生の言い分を根拠に,当該准教授が,『産経新聞』の指摘する「河野談話」の問題点を説明せず,学生に議論の余地を与えることなく,一方的な主張を押しつけたとした。この記事が出されて以降,広島大学 には”抗議”の電話等が殺到している。多くが,「国民の税金で運営されている国立大学でこのような反日的教育がおこなわれているのはけしからん」という内容である。

かつてドイツでは,政権獲得前のナチス党が,その青年組織に告発させる形で意に沿わない学説をもつ大学教授をつるし上げさせ,言論を萎縮させていった歴史がある。その忌まわしい歴史を彷彿とさせる本件にたいして,われわれが拱手傍観しているようなことがあれば,特定の政治的主張をもつ報道機関がその意に沿わない講義のひとつひとつを論評し,特定の政治的主張をもつ外部のものが大学教育に介入してくるきっかけを与えることになる。

そもそも,学問の自由は日本国憲法が保障する基本的人権のひとつであり,大学の授業で教員は,自身の学問的信念に基づいて教育研究を行う自由をもつ。もちろん,その教育研究に対して学生が異議を唱えることも当然の権利であり,教員はその異議を受け止め,相互理解を深めることによって,学問の府である大学の教育研究が深化する。よしんば,学生が大学の講義内容への告発を報道機関に行った場合でも,当該報道機関はそれを大学内部における教員と学生の対話によって解決するように対処するべきであり,充分な裏付けも取らずに扇情的な記事に仕立てることは,大学における言論のあり方を否定し,教員と学生の信頼を壊すものである。また,公正な報道を もって社会の木鐸の機能を果たすべき新聞が,学生の 1通の投書をもとに、特定の教員の講義内容を攻撃することは、学問の自由への侵害であるとともに,著しく公正を欠くものである。

日本科学者会議広島支部は,広島大学当局に学問の自由を守るために毅然とした姿勢をもとめるとともに,広島大学内外のすべての大学人にたいして,今回の事態に際し,特定報道機関その他からの言論への圧力を許さず,ともに学問の自由を守る行動をとるように訴えるものである。

2014年5月23日
日本科学者会議広島支部幹事会