米大統領:シリア反体制派へ5億ドル支出 議会に承認要請
毎日新聞 2014年06月27日 12時31分
【ワシントン和田浩明】オバマ米大統領は26日、シリア反体制派への軍事訓練や装備提供を拡大するため、5億ドル(約508億円)の支出を認めるよう議会に要請した。アサド政権軍の優勢が伝えられる中、反体制派を後押しする意図がある。
要請は2015会計年度(14年10月〜15年9月)が対象で、海外での軍事関連作戦などの予算要求約658億ドル(約6兆6900億円)の一部だ。穏健派反体制組織「シリア国民連合」などの身元が確認された要員を対象に、国防総省が軍事訓練や装備供与の費用などをまかなう。
米国家安全保障会議のヘイデン報道官は26日の声明で「シリア国民の保護や反体制派支配地域の安定化、交渉による紛争解決の条件整備などを支援する資金だ」と説明した。一方で、「(シリア)危機に軍事的解決はなく、米戦闘部隊が派遣されることもない」とも述べ、直接介入の可能性を改めて否定した。
オバマ政権はシリア内戦への軍事的非介入の方針を維持しているが、反体制派の劣勢を放置し、イスラム過激派の伸長と隣国イラクへの侵入を許したとの批判に直面している。