転換期を迎えるJR
- 2014/07/04
- 17:41
JR北海道は、メンテナンス体制強化を図るため、特急・快速列車の減速運転を実施する2014年8月30日ダイヤ改正の概要を公表しました。
減速減便を計画している列車で、最後まで残っていた特急「スーパーとかち」、快速「エアポート」の最高速度を130km/hから120km/hに見直し、キハ261系特急気動車の車体傾斜装置を停止させます。
-高速化を検証する機会に-
来月末の「スーパーとかち」「エアポート」の減速により、新幹線連絡特急を除く道内全域で、最高速度130km/hの列車は存在しなくなり、1990年9月の特急「スーパーホワイトアロー」から実施してきた列車の高速運転が終わります。
9月からは、四半世紀前の最高速度となるわけですが、全国でも例がない寒冷地の高速化によって、特急気動車などに一体どのような影響を与えたのか。
JRは一連の車両トラブルを、メンテナンス体制の問題として片付けるのではなく、特急・快速の減速減便によって、高速走行時と何が変わったのか。8月のダイヤ改正以降は、高速化を検証する機会としなければなりません。
-個性を失ったキハ261系-
昨年12月、JRが15年度以降に導入するキハ261系について、「車体傾斜装置の取りやめを検討する」と報道されました。当時、JRは「仕様を検討している段階で、詳しく話せない」としていましたが、この計画が形を変えて現実となります。
現行のキハ261系(41両)について、8月末のダイヤ改正から車体傾斜装置の使用を取りやめ、「スーパーとかち」「スーパー宗谷」の所要時間が増加します。この対応は、今後増備されるキハ261系の性能にも、影響を与えることは必至です。
キハ261系は強力なエンジンと車体傾斜装置によって、振り子気動車並みの性能を引き出していましたが、減速運転に加えて曲線通過速度の抑制は、もはやキハ183系特急気動車と変わらない性能になり、個性が全くないキハ183系の「後継機」と言っても過言ではありません。
-転換期を迎えるJR-
かつてNHKで「北の挑戦者たち」という番組があり、その中のひとつに、キハ281系特急気動車の開発に携わった技術陣の姿を追ったドキュメンタリーがありました。厳しい冬となる道内で、振り子気動車を走らせることがいかに難しいことか、画面から伝わりました。
都市間特急の高速化は、経営が厳しいJRにとって重要な計画であり、最も力を入れていた部分ではないでしょうか。その高速化が、来月末のダイヤ改正で実質的に終了し、JR発足当初の状態になるわけです。
JR北海道にとって、国鉄時代の白紙改正に匹敵する重大な転換期を迎えますが、発足当初の状態ということは、まさに「再出発」の機会でもあります。
安全を最優先にする会社に生まれ変わる第一歩が、来月末のダイヤ改正ではないでしょうか。
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減速減便を計画している列車で、最後まで残っていた特急「スーパーとかち」、快速「エアポート」の最高速度を130km/hから120km/hに見直し、キハ261系特急気動車の車体傾斜装置を停止させます。
-高速化を検証する機会に-
来月末の「スーパーとかち」「エアポート」の減速により、新幹線連絡特急を除く道内全域で、最高速度130km/hの列車は存在しなくなり、1990年9月の特急「スーパーホワイトアロー」から実施してきた列車の高速運転が終わります。
9月からは、四半世紀前の最高速度となるわけですが、全国でも例がない寒冷地の高速化によって、特急気動車などに一体どのような影響を与えたのか。
JRは一連の車両トラブルを、メンテナンス体制の問題として片付けるのではなく、特急・快速の減速減便によって、高速走行時と何が変わったのか。8月のダイヤ改正以降は、高速化を検証する機会としなければなりません。
-個性を失ったキハ261系-
昨年12月、JRが15年度以降に導入するキハ261系について、「車体傾斜装置の取りやめを検討する」と報道されました。当時、JRは「仕様を検討している段階で、詳しく話せない」としていましたが、この計画が形を変えて現実となります。
現行のキハ261系(41両)について、8月末のダイヤ改正から車体傾斜装置の使用を取りやめ、「スーパーとかち」「スーパー宗谷」の所要時間が増加します。この対応は、今後増備されるキハ261系の性能にも、影響を与えることは必至です。
キハ261系は強力なエンジンと車体傾斜装置によって、振り子気動車並みの性能を引き出していましたが、減速運転に加えて曲線通過速度の抑制は、もはやキハ183系特急気動車と変わらない性能になり、個性が全くないキハ183系の「後継機」と言っても過言ではありません。
-転換期を迎えるJR-
かつてNHKで「北の挑戦者たち」という番組があり、その中のひとつに、キハ281系特急気動車の開発に携わった技術陣の姿を追ったドキュメンタリーがありました。厳しい冬となる道内で、振り子気動車を走らせることがいかに難しいことか、画面から伝わりました。
都市間特急の高速化は、経営が厳しいJRにとって重要な計画であり、最も力を入れていた部分ではないでしょうか。その高速化が、来月末のダイヤ改正で実質的に終了し、JR発足当初の状態になるわけです。
JR北海道にとって、国鉄時代の白紙改正に匹敵する重大な転換期を迎えますが、発足当初の状態ということは、まさに「再出発」の機会でもあります。
安全を最優先にする会社に生まれ変わる第一歩が、来月末のダイヤ改正ではないでしょうか。
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