反捕鯨番組制作から一転太地に魅せられ「真実伝えれば世界の認識変わるはず」 (1/2ページ)

2014.04.17


 米大学生らに太地町の歴史と捕鯨について説明するワーン氏(中央)=和歌山県太地町(同氏提供)【拡大】

 反捕鯨団体「シー・シェパード」のドキュメンタリー番組を撮影したオーストラリア人の映像ジャーナリストが、和歌山県太地町の捕鯨とその歴史に魅せられ、文化を世界に伝えようと活動している。母国や欧米で反捕鯨の世論が高まるなか、「江戸時代から連綿と続く太地の捕鯨の歴史を伝えれば、世界の認識は変わるはず」と訴えている。

 和歌山大学の特任助教、サイモン・ワーン氏(57)=和歌山市在住。オーストラリアの民間テレビ局のカメラマンを経て、フリーランスでタスマニアの環境問題などを伝えてきた。

 平成19〜20年にかけて、アメリカの人気番組「ホエール・ウォーズ(鯨戦争)」の撮影に参加。南極海で、日本の調査捕鯨船を妨害するシー・シェパードを5週間取材した。

 取材の間にメンバーが捕鯨船に乗り込み拘束される事件が発生。引き渡されたメンバーに話を聞くと、捕鯨船の日本人船員は妨害工作をしかけたメンバーの話にも耳を傾け、環境問題などをテーマにした日本の人気アニメ映画「もののけ姫」のDVDを手渡すなど、対話の姿勢を見せたという。しかし、そうした情報は番組ではいっさい触れられなかった。

 番組は米テレビ界の最優秀作品に与えられるエミー賞にもノミネートされたが、「見せたいものだけを放送する」方針に疑問を抱き、撮影クルーを外れた。

 20年の秋、日本の捕鯨について詳しく知りたいと太地町を訪れた。複数の船で鯨を網に追い込み、銛(もり)を投げて仕留める古式捕鯨。江戸時代初期に生み出されたその歴史と、先祖代々受け継がれてきた技術とチームワークに感銘を受けた。

 

注目情報(PR)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

実践で使える英会話を習得!業界最高峰の講師がサポートします。毎日話せて月5000円《まずは無料体験へ》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!