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小保方リーダー「完全監視」で背水実験

神戸市の理研発生・再生科学総合研究センターに入る小保方晴子氏(共同)
神戸市の理研発生・再生科学総合研究センターに入る小保方晴子氏(共同)

 理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダー(30)が2日、4月9日の記者会見以来、約3カ月ぶりに姿を見せた。STAP細胞の存在を確かめる検証実験に参加するため、この日午前、神戸市の理研発生・再生科学総合研究センターにタクシーで出勤。今後は新たに設置される実験室で第三者が立ち会い、24時間モニタリングされるなど「完全監視」態勢で実験に臨む。思うような結果が得られない場合は打ち切られる可能性もあり、まさに“背水の陣”となる。

 約3カ月ぶりに姿を見せた小保方氏は、長い髪をポニーテールにし、白いパーカにスニーカーを履いていた。ワンピース姿だった4月9日の会見と違いラフな格好。午前10時55分頃、実験が行われる施設の玄関先に止めたタクシーから降りると、報道陣の呼び掛けに応えることなく足早に建物に入った。出勤前には電話で代理人の三木秀夫弁護士に「頑張ってきます。しっかりやります」と伝えた。この日は施設内で実験準備などに取りかかったという。

 小保方氏にとって念願の検証実験参加だが、厳しい現実が待っている。理研はこの日午後、検証実験で透明性を確保する監視態勢を敷くと説明。小保方氏は4月から行われている検証チームから独立し、来週にも別の研究棟に新設される「専用」実験室で実験する。電子カードで入退室の記録を管理し、3台のカメラで室内を24時間監視。第三者も立ち会い、必要と判断されればボディーチェックを受ける場合もある。

 異例の厳戒態勢について実験総括責任者の相沢慎一氏は、個人的な推測と前置きした上で「彼女が何か魔術を使って不正を持ち込むのでは、という危惧が世間にあるからではないか」と独特の表現で説明した。

 準備段階を経て本格的な実験開始は9月ごろが目標という。だが相沢氏は、今も大阪府内の病院に入院中の小保方氏の体調について「納得できる研究ができるような状態にはるか遠い。とてもすぐに実験できる状態ではない」。当面は小保方氏の体調や生活環境の安定化が最優先される。

 小保方氏は11月末まで実験に参加する予定だが、STAP細胞存在の可能性を示せない場合、それより前に打ち切りとなる可能性もある。相沢氏は「本人が参加して、どうしても再現できない、というところまでやらせてもらいたい」と理解も示すが、厳しい実験環境に置かれ、健康面でも不安を抱えたまま。小保方氏は自ら「生き別れた息子」と表現したSTAP細胞の存在を証明できるのか、注目が集まる。【鈴木絢子】

 [2014年7月3日9時31分 紙面から]

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