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 俳優の黒柳徹子さん(80)が、国連児童基金(ユニセフ)親善大使になって30年がたった。この間、紛争や貧困に苦しむ世界中の子どもに会ってきた。

 6月、黒柳さんは昨年の台風30号で被害を受けたフィリピンを訪れた。「家が流され、茫然(ぼうぜん)とする子をテレビで見て決めた」。印象に残ったのは、政府とイスラム武装勢力の内戦が続くミンダナオ島の学校だ。緊迫した環境で暮らす子どもたちは写真を撮る時、ピースサインではなく1本指を出す。「地球は一つ、平和は一つ」の意味だと聞いた。「平和や自由がどれほど大事か。勉強したい、普通に生活したいと思っても、現実の前で立ち止まらないといけない。これまで見てきた内戦状態の国々を思い起こしました」

 台風で壊滅的な被害を受けたレイテ島のタクロバンにも足を運んだ。船が打ち上げられ、多くの家が流された。劣悪な仮設住宅に住んでいても、人々の泣き顔は目にしなかった。「希望を失わない様子は心強く感じた」と振り返る。