集団的自衛権:列島各地で抗議の声
毎日新聞 2014年07月01日 23時51分(最終更新 07月02日 00時17分)
「日本を、戦争する国にしてはならない」。集団的自衛権の行使を容認する安倍晋三内閣の閣議決定に、1日、市民らの抗議の声が上がった。海外での武力行使に道を開く、憲法9条の解釈変更。発足から60年の節目の日に、専守防衛を貫いてきた自衛隊は歴史的な転換点を迎えた。現役隊員や家族たちは、集団的自衛権を命に関わる問題として受け止めはじめている。
札幌市中央区の大通公園で1日、市民団体「戦争をさせない北海道委員会」などが集団的自衛権行使容認に対する抗議集会を開き、市民ら約300人が参加した。
同委員会は脚本家の倉本聡さんらが呼びかけ人となり、4月に設立された。集会で北星学園大の岩本一郎教授は「閣議決定は一内閣の意思表明に過ぎず、国民や自衛隊を戦争に駆り出す根拠にはならない」と指摘。「いまの日本社会は戦後最もファシズムに近づいている。ファシズムは優しい仮面をかぶって、こっそり近づいてくることを認識しなければならない」と訴えた。
釧路市のJR釧路駅前にも市民ら約50人が集まり、抗議の声を上げた。参加した同市の石山勲さん(72)は「孫が2人おり、徴兵制が復活することを心配している。若者を戦場に送ってはならない」と話した。【高橋克哉、近藤卓資】
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集団的自衛権行使容認に反対する市民らは、東海地方の各地でも抗議の声を上げた。
「憲法と平和を守る愛知の会」など市民団体や愛知県弁護士会のメンバーら約100人は1日夕、名古屋市中村区のJR名古屋駅前で、閣議決定に抗議する街頭宣伝を行い、ビラを配るなどした。県弁護士会は5月、行使容認に反対する会長声明を出しており、この日は弁護士17人がマイクを握った。矢崎暁子弁護士は「閣議決定は憲法9条からかけ離れたもので、政府自ら憲法に反する行為。今後、憲法違反の法改正をもくろむとみられ、許さないことが大事だ」と訴えた。
街頭宣伝では集団的自衛権行使容認の賛否を問うシール投票もあった。「反対」を投じた愛知県豊橋市の阿形優さん(28)は2児の父。「子供たちには戦争のない未来を残したいのに、集団的自衛権を認めたことで先行きが不安だ。国民の多数が反対しているのに、安倍政権に届いていない」と憤った。