集団的自衛権:韓国紙「思い通りに戦争できる日本」
毎日新聞 2014年07月02日 12時11分(最終更新 07月02日 13時02分)
【ソウル澤田克己】集団的自衛権の行使を容認する安倍政権の閣議決定について、韓国各紙は2日朝刊の1面トップなどで大きく取り上げ「思い通りに戦争できる日本」(中央日報)などと批判的に報じた。安倍政権の歴史問題に対する姿勢や安保政策をひとくくりに「右傾化」と決めつける論調が主流で、各紙は3日に訪韓する中国の習近平国家主席と朴槿恵(パク・クネ)大統領の首脳会談でも日本について協議されると伝えている。
一方、集団的自衛権に関しては日本国内で反対世論が強いことも紹介されている。
また、保守系の東亜日報は社説で、米国や欧州連合(EU)、東南アジア諸国連合(ASEAN)、豪州などが支持に回っていると指摘。「日本が集団的自衛権のくびきを外したからと、すぐに『軍国主義の復活』と決めつけることはできない」とした上で、日本に「近隣諸国の心配と不安を増大させず、域内の平和と安定に寄与する方向で、透明性を持って(集団的自衛権を)行使しなければならない」と注文を付けた。
韓国日報の社説も安倍政権の手法を批判しつつも「日本がいきなり戦争のできる国に変わったとか、朝鮮半島に武力で進出する道が開かれたなどという見方は、事実関係の認識から穴だらけだ」と、韓国内の短絡的な論調を戒めた。