集団的自衛権:シベリア抑留に特攻隊員 元日本兵の危惧

毎日新聞 2014年07月02日 13時28分(最終更新 07月02日 15時41分)

シベリア抑留体験をモチーフに制作中の新作の前で反戦の思いを語る宮崎静夫さん=熊本市北区植木町で、福永方人撮影
シベリア抑留体験をモチーフに制作中の新作の前で反戦の思いを語る宮崎静夫さん=熊本市北区植木町で、福永方人撮影
反戦を訴える自分の作品を見ながら、特攻隊員時代を振り返る池田龍雄さん=東京都練馬区で、福永方人撮影
反戦を訴える自分の作品を見ながら、特攻隊員時代を振り返る池田龍雄さん=東京都練馬区で、福永方人撮影

 天皇のために尽くすことが最大の名誉だと教え込まれ、特攻隊員に迷いなく志願した。親友が訓練中に墜落死した時も、悲しみではなく「本懐」を遂げられなかった無念を思い、涙した。「飛行機の場合は敵を殺すのも自分が死ぬのも一瞬のことなので、あまり残酷とは思っていなかった。異常なことが異常でなくなるのが戦争」と語る。

 「戦争が終わった時、国民は本当にもう懲り懲りだと思ったはずなのに、また歴史が繰り返されようとしている。日本人は空気に流されやすい」。池田さんはそうつぶやき、最後に言った。「平和とは戦い取るべき物騒なものではなく、一人一人が力を合わせて優しく守るものだと思う」

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