大阪維新の会:3府議の会派離脱認めず 議運過半数維持へ
毎日新聞 2014年07月02日 15時00分
大阪維新の会は離党届を出した大阪府議3人について、府議会会派からの離脱を今月いっぱい認めない方針を固めた。離脱を認めて会派勢力が変わり、維新が府議会運営委員会(議運)で過半数を割ると、大阪都構想の協定書(設計図)作りが難航する。協定書ができるまで会派に留め置き「頭数」を維持する狙いだ。3人は議員活動が制約されるとして反発している。
堀口和弘、澤田貞良、小林雄志の3府議は、6月25日に離党届と維新府議団からの離団届を維新に出した。しかし、府議会の慣例で、会派が決めない限り離脱は認められず、新会派も設立できない。
維新関係者によると、3人の離脱を認めないのは会派勢力が変わるのを避けるため。3人が無所属の会(4人)などに加え、他の少数会派と統一会派を組んだり、さらなる離党者が出たりすると、維新は議運で過半数を割る可能性がある。
議運は、都構想の協定書をとりまとめる法定協議会の委員構成などを決めており、過半数を失うと、維新が今月中を目指す協定書作りが難しくなる。
一方、離脱が認められないと、3人は今月中に開催予定の臨時府議会で新会派としての議会質問ができない。政務活動費の会派枠(議員1人当たり月8万5000円)も維新に引き続き支払われ、3人には入らない。
維新は昨年12月に造反した府議4人、3月に離党届を出した府議1人に関しては即時に除名している。維新代表の橋下徹大阪市長は今回の3人について「単に議員を続けたいだけ。いなくなった方が維新にとってプラスだ」と語っていた。
3人は党の処分を先延ばしにする維新の対応について「ご都合主義のダブルスタンダードだ。離党ドミノを警戒し、我々を見せしめとして利用している」と批判している。
会派離脱を巡っては国会でも、みんなの党が昨年12月に分裂した結いの党のうち、比例選出議員の会派離脱を1カ月以上認めず、結いの江田憲司代表が「(結社の自由を保障した)憲法違反だ」と反論した。【熊谷豪】